ママのこと⑱最後の夜
介護保険の審査が終わった。
審査員の人正直驚いていた。こんなに若くして衰弱しているひとが申請するなんて珍しいだろうな。
何も飲んでないのに、トイレに行くと言って尿がたくさん出た。
いままであまり出てなかったのでうれしかったけど、ばあばが、
「じいじが亡くなる前の日の晩、何回もおむつを変えたんだよ。でもまだそんな時期じゃないと思うんだけど。」
と。それってそういうことかぁ〜。
おむつから漏れてしまうこともあったのでおむつパットをしとくといいよって看護師さんが教えてくれた。
妹が買いに行ってくれた。
尿が出たせいか足のむくみがずいぶんスッキリした。
人間って死ぬ間際にすべて出してしまうみたい。
脱水の症状が楽なんだって。
全て自然に任せた。
そうしてくれって言ってたから。
ベッドで眠っていることが多くなった。
おばさんは
「お姉ちゃんが眠れる様になって嬉しい」
と言っていた。
20日だったか、訪問の先生が始めて診察にきてくれた。
一通り診察して、これはもう、今週末…明日かも。と。
看護師さんもたくさん話しかけてくださいね。と。
パパに連絡した。わかったとだけ返信。
結局パパは亡くなった日も仕事に行った。
おばさんが休みの日があってその夜はおばさんがママと過ごしてくれた。
その夜は下血があったらしい。本人はおならが出て喜んでたよ。と言ってたけど。
亡くなる前の夜はばあばと過ごして、夜中におむつにしてしまったのに気づいて起き上がり、
「こんなにビショビショになっちゃった!お嫁にいけない〜!」と言ったそうだ。
ばあばは笑えてきちゃったそうだ。
そりゃそうだ。娘が3人いて、孫も7人もいるのに嫁に行けないって笑
それがばあばとママの2人の最後の夜。
母と娘の。
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