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【先行公開】待望のラグビー戦術本第2弾!『これまでになかった ラグビー防御戦術の教科書』から「はじめに」を公開

〝ラグビーの戦術的な面白さを伝えたい、そしてそれを知る一つのきっかけとなってほしい〞
との思いから2020年3月に『これまでになかったラグビー戦術の教科書』を出版した井上正幸氏。
 前作がご好評頂きまして、今回待望の第2弾が発売です!
 第2弾はラグビーの〝防御〞戦術にフォーカスした一冊『これまでになかったラグビー防御戦術の教科書』となります。

 本日は発売に先駆けて、「はじめに」を先行公開です! 
 2021年2月10日より順次書店へ並び始めます。発売日をお楽しみに~

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書影はAmazonにリンクします
これまでになかったラグビー防御戦術の教科書
著 井上正幸
ページ数 288
判型 四六判
本体価格 1700円
出版社 カンゼン
発売日 2021年2月10日
ISBN:9784862555830

はじめに

 2019年、日本で開催されたラグビーワールドカップにおけるジャパンの快進撃は多くのラグビー関係者やファンのみならず、ラグビーとは接点のなかった人々をも感動の渦に巻き込み、ラグビーの魅力を知らしめることとなりました。
 
 その一方、サッカーなどに比べれば、まだまだ戦術的視点でのラグビーの情報や議論が多いとは言えない現状があり、〝ラグビーの戦術的な面白さを伝えたい、そしてそれを知る一つのきっかけとなってほしい〞との思いから、2020年3月に『これまでになかったラグビー戦術の教科書』を出版させていただきました。
 
 前回は戦術を知る入門編として、攻撃を中心に広く網羅する形でしたが、今回は防御にフォーカスして書かせていただきました。
 ただ、ラグビーは野球のように攻撃と守備が分かれているスポーツではありません。ですから、防御を解説するために、相対するものとして攻撃に関する内容も触れております。

 本書の構成としまして、ラグビーの防御戦術や構造の理解を深めるために、前作と同じように歴史的な背景から書いております。
 歴史的な背景を知っていただくことで、「なぜそういう考えに至ったのか」を知り、一つ一つバラバラに捉えていた現象を、まとまりのある「構造」として理解していただけるのではないかと思います。
 
 構造を理解することは、個別の現象についてどのように考えれば良いかとする指針を得ることにつながります。
 例えば、「ブレイクダウンが発生したらピラー、ポストからポジショニングする」という原則がありますが、その位置に順目側に2人ポジショニングすることが決まっているのであれば、ポストからポジショニングする方が合理的です。
 しかし、大きくゲインされた状況で2人ポジショニングすることが遅れる可能性があるのにポストからポジショニングすると、ブレイクダウンからボールを持ち出されて最短距離でゲインされてしまいます。「ピラーからポジショニングする」という原則は、ブレイクダウンからボールを持ち出されて最短距離でゲインされないためであり、ラインディフェンスのポジショニングの構造を理解しておくことは、それぞれの事象に対しての適した対応を可能にするのです。
 
 さて、第3章の防御戦術で「シュートディフェンス」を紹介しています。本書で説明している「シュートディフェンス」は、あくまでも筆者がその現象を連想しやすいように名前をつけたものです。このように、ラグビー界では同じ用語でも違った使われ方をしているケースもあり、チームによって呼び方が違うものもあるとは思います。
 従って本書で使用している名称のすべてがラグビー界において一般的なものではない、ということをあらかじめお断りしておきます。
 どのような意図を持ったプレイなのかを知るための記号として理解してもらえればと思います。

 今のラグビーはブレイクダウンが基準であり、ここのリサイクルスピードを巡る戦いです。防御はここを遅らせてターンオーバーするために、戦術やスキルを駆使しますが、最強の防御というものはありません。
 
 ラグビーの戦術は日々進化しています。
 もちろんトレンドもありますし、変わらないものもあります。この本を通じて、ゲームの本質や構造を理解し、駆け引きを楽しむことができるお手伝いができれば幸いです。

2021年2月
井上正幸

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著者プロフィール

井上正幸
オーストラリアラグビーコーチング資格レベル2保持。
大東市立住道中学校でラグビーを始め、大阪府立大東高校を経て大阪体育大学に入学しラグビー部に在籍。大学卒業後、整形外科のインプラントを販売する会社「オルソテック(株)」に勤務する傍ら、1998年、関西ラグビー協会に所属する「くすのきクラブ」を創設し、2020年近畿クラブリーグのカテゴリーAに昇格する。また、2008年から兵庫医科大学でコーチを始め、09年西日本医科学生総合大会4位、11年関西医歯薬学生ラグビーフットボールリーグ2位、12年同大会3位、13年同大会2位の成績を収める。14年に京都成章高校スポットコーチとして、全国高校ラグビー大会4位、15年同大会8位、16年大阪体育大学スポットコーチとして、関西大学ラグビーBリーグ優勝、17年ヘッドコーチとして同リーグで優勝。入れ替え戦にも勝利してAリーグへ昇格させた(2019年に退任)。著書に『これまでになかったラグビー戦術の教科書』(小社刊)『ラグビー3カ月でうまくなる基本スキル』(学研)がある。

ラグビーにおけるディフェンスの構造とシステムを紐解く『これまでになかったラグビー防御戦術の教科書』

【試し読み①】2019年ワールドカップから考察する各国の防御システム『これまでになかったラグビー防御戦術の教科書』

【試し読み②】防御戦術の具体的な分析方法『これまでになかったラグビー防御戦術の教科書』

トップリーグが始まる前にラグビーを高度に解析!本を出版します。

【15人制】ステップを有効に使い相手を抜く方法(動画)

本書内で特別対談が収録されている7人制ラグビーの林大成選手のYouTubeにて、著者の井上正幸氏のコーチングを受けております。

FWでもステップを有効に使いゲインする方法

日本でコーチングされてないアシストタックルのやり方

前作『これまでになかったラグビー戦術の教科書』試し読み

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