整形外科学 軟部腫瘍
軟部組織から生じる腫瘍
筋肉、脂肪、血管、末梢神経、腱、靭帯など
悪性のものを肉腫と呼ぶ
脂肪肉腫が最多
若年:横紋筋肉腫好発
高齢:未分化多型肉腫、悪性繊維性組織球腫好発
分類
悪性度
分化度
核分裂像
壊死
病期
ⅡB:5cm以上の表在性
Ⅲ:5cm以上の深在性
診断
腫瘍局在:深在性は悪性
大きさ:5cm以上は悪性
周囲組織と癒着:悪性軟部腫瘍では癒着少ない
神経に沿った伝達痛:神経鞘腫にみられる
多発性:神経線維腫症にみられる
リンパ節腫大:軟部腫瘍ではリンパ節転移少ない
画像診断
X線:脂肪の陰影、石灰化、骨への浸潤など
MRI:位置、質の判定
生検
治療
良性腫瘍
辺縁切除、腫瘍内切除
悪性腫瘍
低悪性度→広範切除
高悪性度→広範切除+化学療法(軟部ユーイング肉腫、横紋筋肉腫に効果)
放射線も用いる
脂肪肉腫
異型を伴う脂肪芽細胞含む肉腫
50代以降、大腿部・後腹膜腔に好発
肺転移多め
高分化型:予後良好
粘液型:粘液基質あり 肺外転位多い
多形型:多形細胞あり 四肢に好発 半数死亡
脱分化型:高悪性度
未分化多型肉腫
悪性繊維性組織球腫のこと
悪性度高い
多型というだけあって
円形細胞、紡錘形細胞、多型細胞、類上皮細胞など多彩にみられる
平滑筋肉腫
平滑筋分化傾向を示す肉腫
40代以降、後腹膜・四肢・皮膚好発
筋分化マーカーみられる(ミオグロビン、アクチンなど)
滑膜肉腫
上皮様分化細胞+紡錘形細胞
15~40代、四肢・膝周囲好発
遺伝子転座みられる(SYT-SSXキメラ遺伝子)
単純X線で石灰化骨化
悪性末梢神経鞘腫瘍
末梢神経由来 シュワン細胞などへ分化
20~50代、四肢・体幹好発
神経繊維腫症の悪性化で生じる
脂肪腫
成熟した脂肪組織からなる良性腫瘍
中高年、背部・四肢好発
X線で透過性増大
血管腫
良性血管の形態をとる新生物・奇形
成人は筋肉内で多い
グロムス腫瘍
グロムス細胞増殖・・・グロムス器官を構成する平滑筋細胞
指の爪甲下好発
強い疼痛を引き起こすので切除する
神経鞘腫
シュワン鞘由来の腫瘍
Tinel sign:叩打すると末梢にしびれ
MRI target sign
Antoni A型:紡錘形細胞増殖
B型:粘液腫状
類腱腫(デスモイド型繊維腫症)
線維芽細胞+コラーゲン基質
再発が多い、良悪性中間群
局所浸潤性強い
COX2選択阻害剤が有効