対人ゲームのストレス度を決めるものとは?
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昨今はオンライン環境の発達によりゲームのオンラインプレイが非常に盛んである
特に回線速度の向上で展開の速いアクションゲームが苦も無く同期できるようになったのは大きいように思う
協力プレイももちろん多いがより盛り上がりを見せているのはやはりPVP(player vs player)だろう
基本プレイ無料のものも多く、eスポーツの隆盛も拍車をかけているといえる
最近では外出自粛の影響もかなり大きいだろうと考えられる(緊急事態宣言前後頃から色んなゲームでマッチングが早くなった)
さて、そんなPVPだがCPU戦と比べるとやはり負けやすい
もちろん、勝ち負けがすべてではないが勝てばうれしいし、負ければ悔しい ストレスもたまる
この対人ゲーにおけるストレスの強さはゲームによって強弱が異なると個人的に感じているのだが、その強弱を決定する因子はなんなのか考えてみたのでつらつら書いていく
※筆者は残念ながらMOBA系はあまり触れていないのでその方面については見識が浅い ご了承いただきたい
参加人数
1対1から150人ほどのものまでゲームによって参加人数にはかなり開きがある
一言でいえば参加人数、より正確にはチームの人数が多ければ多いほどストレスは少ない
これは簡単な話で、人数が多いほど負けた時の一人一人の責任が薄まるということだ
1対1では負けた時の責任は全て自分一人が背負うことになるので、完膚なきまでに叩きのめされた時の精神ダメージは計り知れない
一方複数人構成のチーム戦なら負けても「あー味方の動きが悪かったなー、よし切り替えていこ!」と軽く流せて精神衛生上とてもよい
バトルロイヤルも参加人数はかなり多いので負けてもだれか一人に負けたという感じは薄いので精神ダメージは小さい
運要素
勝負を決する要因にほぼ運が絡まない格ゲーから、運で実力をかなり覆せるマリオカート的なゲームまでこれまたゲームによってかなり開きがある
運要素、というのは基本的にプレイヤーが干渉できない要素であり毎回変化する要素である
(ゲームをゲームたらしめる重要な要素でもあるが深く話すと長くなりそうなので今回は置いておく)
運要素が徹底的に排除されているゲームにおいて勝敗を決するのはほぼ自身の実力のみとなる
こういう状況で負けてしまうと自分の実力不足をひどく痛感させられ、めちゃくちゃ悔しい上、責任を転嫁する部分がないので切り替えも難しい(上記のように複数人チームなら転嫁できなくはない)
一方、運要素が強いゲームでは負けた理由をそこに見出すことができる
バトルロイヤル系のシューティング(PUBG,APEX,フォートナイトなど)あたりではかなり顕著で、良い武器やアイテムを拾えるか否かで大きく戦局が変わるので負けてもくやしさはほぼない
1プレイの長さ
1マッチの長さはジャンルによっておおよそ数分~20分程度に分かれる
1マッチが長いゲームでは負けた時の徒労感が強まる傾向にあると思う
逆に1マッチの短いゲームでは負けた時の徒労感は比較的弱い
試合展開で試合時間が増減する場合は基本的に長引いて負けた方がきつい
キャラ格差
キャラクターごとに性能差があるゲームというのは非常に多い、というより差がないゲームのが稀とさえいえる(PUBGらへんはないか)
キャラ差があることで戦略に深みが生まれるのでこれまたゲームにおける重要な要素だろう
このキャラの強弱がまたストレス源となりうるのだ
強キャラを使えば当然勝ちやすいので一見ストレスとは無縁に思えるが、強キャラは勝って当然という認識が(自他共に)付きまとう
それ故に負けた時、特に弱キャラに負けた時には強いストレスが生じるのだ
当然、弱キャラなら逆の現象が起きる(負けて元々、くらいの心持ちが必要だが)
筆者はかつてスーパーストリートファイターⅣで公式で弱キャラとされているダンを使って対戦していた
あえて弱キャラを使うことで負けても「まあダンだし」と軽く流せ、勝てば「ダンで勝った!」と喜び倍増というかなりメンタル的に有利な戦いを日夜繰り広げていた記憶がある(実際のところ、ダンは一部必殺技が優秀なので意外と戦えた)
相手からするとダンには負けたくないという心理的プレッシャーも多少あったのではないだろうか
ストレスを感じやすいゲームは?
ここまでをまとめるとどんなゲームがストレスが強いのか?
1対1で、運要素が少なく実力至上主義で1マッチがそれなりに長いもの、だろうか
この条件をいくつか満たすものといえば...勘のいい読者の方々ならとっくに思い当っているとおもうが、対戦格闘ゲームである
格ゲーが1対1というのは説明不要だろう(3on3などの形式もたまにあるが同時に闘うのはやはり一人だ)
格ゲーに運要素があるものはかなり少ない
特定キャラの特定攻撃に運要素がある、程度がせいぜいではないだろうか
極論、試合の始まりから終わりまで徹頭徹尾最適行動をとれば勝てるとも言える(もちろん机上の空論だが)
試合時間は2本先取で長くても10分以内といったところだが、他の対戦ゲームと違い試合時間ほぼ全てにおいて集中力を維持し続ける必要があるため、消耗度は高い
これだけ条件が揃った格ゲーというジャンルはたしかに負けるとストレスがたまる
ゲームのデザイン的に練習・習熟がほぼ必須であるうえ、その習熟度が勝敗という形で如実に現れ、努力が足りないと一蹴されてしまうという苛烈さは他のゲームにはなかなかない(最近は初心者向けシステムの充実した格ゲーも増えているがそれでも練習はいる)
eスポーツとしてたびたび採用されるのも納得の厳しい世界だ
厳密には格ゲーではないが筆者はスマブラSPで負けがこみすぎて、ストレスのたまり方が危険と判断して意識的にプレイをしない期間を設けたことがある
それでは格ゲーが面白くないかといえば当然そんなことはない(そんなゲームが現在まで残っていることはないだろうし)
勝ちを得られるまでに積まねばならない修練は多いし、それでもなお負ければとてつもなく悔しい
それだけに、勝てた時の喜びは非常に大きくなる
上に書いたスマブラSPも、負け続けてもなお勝ちの喜びを求めてやりたくなる魔力があるからこそ設けたクールダウン期間だった
努力により勝利を得るというのは運に恵まれて勝つというのとはまた違った喜びなのだ
自らの努力をチップとして戦うからこそ人は熱くなり、没頭・集中でき、一喜一憂できるのではないだろうか
ストレスを感じにくいゲームは?
それはそれとして、ゲームからストレスを受けるのを可能な限り避けたいという人も多いだろう
そんな人にもおすすめな対戦ゲームを二つほど挙げてみよう
まずはAPEX LEGENDS
3人×20チームのバトルロイヤル(一部ゲームモードでは増減)
入手する武器、アイテムはランダム
1マッチ10~20分
圧倒的なキャラ性能差はない(アップデートで修正有)
とかなり優良条件のそろったゲーム
しかも基本無料! 課金はキャラや武器の見た目変更などでプレイに直接影響するものはない
昨今のバトルロイヤル系シューターは共通しているところも多いが、APEXは3人チームが基本なので他のバトルロイヤル系よりも易しいといえる
FPSが苦手、酔うなどの場合は厳しいかもしれないが、まずはやってみるといい なにせ無料だし
参考)3D酔い:視覚と三半規管・前庭による回転・平衡覚のズレによる乗り物酔いと同様の現象
参考記事
閑話休題 5月中旬からシーズン5に入り色々仕切り直されるのでそれを機に始めるのもいいと思う
ただ、この記事を書いているタイミング(5月上旬)では外出自粛の影響でサーバー負荷が上がっているのか、東京サーバーではバグが頻発しているのでやるなら台湾サーバーがおすすめ
タイトル画面で切り替え可能
次に大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL
おいおい、スマブラはさっきストレス強いって書いてたじゃないか? とちゃんと読んでくれた方々は思うかもしれない
しかしそれはいわゆる「アイテムなし 終点・戦場固定ルール」での話である
これは一部キャラの技以外はほぼ運要素なしのガチンコバトルで、けっこうストレスがたまりやすい(勝った時の喜びがひとしおなのも前述の通りだ)
スマブラの大会では上記ルールが多いがそれとは別にもう一つ主要なルールがあり、それが「アイテムあり 終点・戦場固定ルール」だ
こちらはアイテムという大きな運要素を足すことで完全実力制ではなくなり、ストレッサーがかなり減る
かといってアイテムの引き頼りのお祈りゲーになるかといえば決してそんなことはなく、いい塩梅で実力要素と運要素が絡むのだ
経験上、スマブラがうまい人はアイテムの扱いもかなり冴えており運の悪さを技量でカバーすることも十分可能だ(運が悪すぎたらわからないが)
逆もまた然りで、足りない技量を運で補うこともできる
これにより結果的には白熱した戦いが生じやすくなるわけだ
スマブラプレイヤーでアイテムあり対戦をしたことない人はぜひ試してもらいたい
なお、ステージまでランダムにすると運要素の割合が大きくなりすぎると個人的には思う
いかがだろうか?どちらも比較的気安く対戦できるので個人的にはおすすめである
ただし対人戦である以上、より楽しむなら多少の練習や経験が必要だということは肝に銘じておいてほしい
真剣になれるからこそ遊びはおもしろいのだから
非対称マルチ対戦の場合
最後に番外編として、最近いくつかリリースされている自分と相手のクリア条件やチーム人数が異なる非対称型マルチ対戦に関して書きたい
非対称マルチはここまで書いてきたものとはストレス要因に関して事情が異なると思う
まず非対称マルチはおおよそ強者側1人と弱者側3,4人で、弱者側が協力して強者による脅威に立ち向かうという構図が多い印象
例)dead by daylight、バイオハザードレジスタンス、Predator: Hunting Grounds など
まず弱者側からストレス要因を検討してみよう
弱者側は基本的に一人で総てを行うことは困難で、他プレイヤーと協力することを前提にデザインされている
例えばバイオハザードレジスタンスは3ステージ構成だが仲間全員が出口にそろわないと次のエリアに進めず時間だけが経過していくので、状況を理解してないプレイヤーがいるとかなりきつい
このように、チーム内に1人でも非協力的なプレイヤーがいるととスムーズな進行はかなり困難になり、そのまま負けるパターンが多い(実力で覆すのも不可能な場合が多い)
ここで間違えたくないのは、通常のチーム対戦では非協力的プレイヤーがいても敗北の一因としてむしろ責任転嫁すら可能だが、非対称マルチではゲームデザイン上、非協力的プレイヤーがいるとそもそも試合としての体をなさなくなってしまいストレッサーとなるという点だ
なので通常のチーム戦のゲームよりチームメンバーはストレス要因となりやすいといえる
ゲームによっては「真の敵はチームメイト」と言われてしまうほどだ
なお、キャラ差はもちろんあるがそれは協力するためのものなのでストレス要因にはあまりならない
次に強者側からストレス要因を検討してみよう
強者側はあらゆる行動を一人で行うため、上記のようなストレスは生じない
また、非対称故にお互い公平な戦いでは全くないので敗北によるストレスは比較的少ない(これは弱者側にもいえる)
人によっては弱者側が楽しめるよう接待している気分になったりもする
ここで問題となるのはゲームバランスだと思う
非対称マルチにおけるゲームバランスというのは非常に難しい
ともすればどちらかが一方的に有利になってしまうからだ
特に強者側は弱体化されやすい印象だ
これはおそらくプレイヤーの母数によるものではないだろうか
システム上弱者側のがプレイヤーが増えやすいので、バランス調整も弱者側によりやすいと考えられる
どんどん弱体化される強者側というのは強者側のプレイヤーとしてあまり好ましいものではなく、ストレス要因になりうる
思いつく限りではこんなものだろうか
もちろん非対称マルチは通常の対戦とは異なる面白さがあるが、ストレスを避けるならフレンドとやるか、バランスがしっかり練られたものがよいのかもしれない
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