臨床診断学 貧血・多血症
貧血の定義
赤血球数の病的な減少 主にヘモグロビン濃度で評価する
ただし妊娠や脱水などで循環血漿量が増減するとHb値もかわるので注意が必要
症状
全身倦怠感、易疲労感
頭痛、耳鳴り、めまい、失神
狭心症発作、筋脱力
また心負荷により
動悸、心悸亢進、息切れ
所見
色調蒼白化
心収縮期雑音
さじ状爪
舌の診察(ハンター舌炎、Plummer-Vinson症候群)
赤血球数分類
平均赤血球容積(MCV)
平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)
平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)
貧血の分類
MCVによる分類
小球性貧血:MCV<80・・・鉄欠乏性など
正球性貧血:MCV80~100・・・溶血性貧血、再生不良性貧血など
大球性貧血:MCV>100・・・巨赤芽球性貧血など
原因分類
赤血球産生低下:再生不良性貧血など
無効造血:巨赤芽球性貧血、鉄芽球性貧血、サラセミアなど
赤血球の寿命短縮:出血、溶血性貧血
検査
鉄、TIBC,UIBC、フェリチン
ビタミンB12
ハプトグロビン、クームス試験、寒冷凝集反応など
その他、エリスロポエチンなど
鑑別
小球性
鉄欠乏性貧血:Fe、フェリチン低下 TIBC増加ならほぼ確定
鉄芽球貧血:Fe,フェリチン増加 TIBC低下
大球性
巨赤芽球性貧血:ビタミンB12,葉酸 過分葉好中球
溶血性
網赤血球、間接ビリルビン、LDH、ウロビリノーゲン増加
自己免疫性溶血性貧血:クームス試験陽性
寒冷凝集素症:クームス陰性、赤血球凝集
血栓性血小板減少性紫斑病:破砕赤血球
赤血球増加症(多血症)
真性赤血球増加症:造血幹細胞異常
皮膚掻痒感がよくみられる
二次性赤血球増加症:エリスロポエチン産生亢進
まずは喫煙による増加を疑う
検査
赤血球以外の血算
幼若顆粒球の有無
画像検査
エリスロポエチン濃度
JAK2遺伝子異常→真性赤血球増加症
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