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ノーベル賞雑感
今年のノーベル文学賞は、韓国のハン・ガン氏に決定した。韓国人初、アジア人女性初の受賞だとか。
図書館で借りて一冊だけ読んだことがある。『菜食主義者』。国際ブッカー賞を受賞した連作短編集。
2017年に読書メーターに感想を書き留めていた。
なになに……。
……語彙力が乏しいし、センテンスが短く、イメージが痩せていると感じた。……世評は高いけれど、自分的には評価できない作風でした。
馬鹿もーん! なにを上から目線で批評しとるんじゃ!
別にアンチフェミニストではないけれど、父親や夫、その同僚たち(♂)の描き方がステレオタイプだと思ったようだ。しかしですね、必ずしも暴力的ではなくても、高圧的・威圧的で無理解な男たちは少なくない、そして自分の不用意な振る舞いもそのように受け止められかねないと今は知っていますね。理解が足りませんでした。
この作家さんは朴槿恵政権にあって、体制に不都合な文化人のブラックリストに入っていました。
ちなみに自分のお気に入りの映画監督ポン・ジュノ氏もブラックリストに入っていました。え……なんで? 恐ろしい国だ。
そして経済学賞は、やはり既読の『国家はなぜ衰退するのか』の著者チーム。こちらは近所の今は亡き(経営者が変わった)本屋さんで文庫本を購入した覚えが。
文学賞受賞者が愛読していた作家ということはあったけれど、経済学賞が既読の学者というのは、おそらく初めての経験。受賞した経済学者の本を読むということはあったけれど。
この本の内容はザックリいうと、自由競争が無くなり、既得権益層が固定化すると(矛盾した表現であるが、ニュアンスは伝わると思う)、国家は衰退するよという内容であった(ような)。ほんとザックリしてて申し訳ないですが、まあどこかの衰退しつつある「インセンティブの失われた収奪的国家」を思い起こさせるじゃありませんか(影響力のある人がこういうことを言うとブラックリストに入れられるのか)。
2019年に感想を書き留めていた……。
なになに……。
……えらくシンプルな理論だが……実に読ませる。
何様じゃ! 貴様は一体何様じゃ!
極めてシンプルな理論があって、あとは歴史事象をぐるぐると参照するばかりで、知的興奮に欠けるが、考えるヒントにはなる。
知的興奮に欠けるだと? 何が考えるヒントになる、だ? 偉ぶるのも大概にしろよな、と言いたい。
別に権威ある賞を受賞したからといって、崇め奉る必要もないわけだが(とくにノーベル文学賞と経済学賞は怪しい←ほら、また!)、もう少し謙虚な姿勢で読書しようと反省する今日この頃であった……。
(了)