【読了】世界でいちばん透きとおった物語 / 杉井光
とりあえず、いったん最後まで読んでほしい本。
僕こと燈真は、校正者の母との二人暮らし。
母は確かに燈真を愛していたのだろうけれど、元々感情を出すのがうまくないのか、不倫からのひとり親という境遇のせいか、燈真自身は愛されていたという確信を持たずに過ごす。
家族というより、同居人のような。
母と、顔も見た事のなかった父が亡くなり、様々な出来事を経て、二人への感情を消化し、昇華していく燈真。
燈真の葛藤や漠然とした怒りは、最終的に柔らかな早春の光になるのですが、優しい結末にはため