プリンの終末

なぁアイス

　なんやプリン

価値観の話やねんけどな

　えらい入りやな

お前さんは起点になりたいか？それとも終点になりたいか？

　…話が見えてこんな

起点として食されたいか？終点として食されたいか？

　まだ足らんな

んー、たとえばや、「テスト勉強が終わったらプリンを食べる」が終点で、「テスト勉強を頑張るためにプリンを食べる」が起点や

　なるほどな

どっちがええ

　せやなぁ、まぁ、終点やな

なんでや

　俺のためにテスト勉強を頑張る、未来に俺がいるからテスト勉強を頑張れる、それが嬉しいかな

あぁ、全く同じやな

　同じなんかい

うん

　こういうの意見が分かれた方が盛り上がるで

自分に嘘はつきたくないからなぁ

　まぁな

　　わたしは起点がいいわ！だってテスト勉強の血となり骨となるわけでしょ！一心同体って感じがして嬉しいわ！

鶏ムネ肉に起点も終点もないやろ

　ご褒美感もご馳走感もないからなぁ

テスト勉強を頑張るために鶏ムネ肉を解凍して食べよう、なんてないからなぁ

　テスト勉強が終わったら鶏ムネ肉を解凍して食べよう、もないしなぁ

厳しいこと言うてるかもしれんけど、あんたが入ってくる話やない

　　なによ！てかあんた誰よ！アイスさんに言われるのはいいけど、あんた初対面で失礼よ！

　そう、そういえばプリンなんでここおるんや

あー、確かに

「ほらー！冷凍してるー！もー！」

　「えー？」

「プリン！」

　「なにー？」

「プーリーン！！」

　「プリーン？」

「冷蔵庫にないからまさかと思って見たらもー！カチカチじゃん！」

　「意外とおいしいかもよー？」

「うるさい！お姉ちゃんのアイスもらうからね！」

　「えーダメダメダメダメダメダメダメ！！」

冷凍プリンはそのままゴミ箱に捨てられ、ゴミ置き場で自然解凍され、おぞましい虫たちの起点や終点になりました。