猿にバナナをくっつけるとバナナが1本だけ消えるパズルゲーム
「このように、猿にバナナを食べさせた分だけ相手の陣地にウンチが降って、最終的に相手の陣地をウンチでいっぱいにしたら勝ちというゲームになっております。以上ですが、質問がなければさっそく販売」
「ちょっと待ってちょっと待って!あるあるある!質問というか気になるとこいっぱいある!」
「では社長、どうぞ」
「まずこちら、販売はしません」
「どうしてですか!僕ら開発チームが構想3年、制作4年かけて作った画期的なパズルゲームですよ!絶対に流行りますよ!」
「お疲れ様です、んー、じゃあまず、どっから言おうかな、えー、猿ね、猿、猿は消えないの?」
「はい、猿は消えないです」
「猿が消えないから、猿がどんどん溜まっていくよね?」
「はい」
「さっきのデモプレイでも、8割くらいフィールドが猿で埋まってゲームオーバーになってたじゃない」
「そうです」
「えっと、バナナと猿がね、ランダムで落ちてくるんだよね」
「はい、バナナには1本と1房の2種類があります」
「うん、バナナ1本に接するように猿を置いたら、猿がバナナを食べて、バナナが消えるじゃない」
「はい」
「猿も消えた方がよくない?」
「猿が消えるというのは、ちょっと意味がわからないですね」
「いやまぁそうなんだけど」
「実際に猿がバナナを食べて猿が消えるということはないので」
「そうそうそうなんだけど、でもさ、猿も消えないと、邪魔じゃない?ほら、ぷよぷよだって、くっつけたら一緒に消えるじゃない」
「ぷよぷよではないです」
「え、ぷよぷよへのリスペクトない感じ?」
「リスペクトはしてますが、ぷよぷよとは違います」
「まぁ、まぁどっちでもいいんだけど、とにかく猿が邪魔で、猿がどんどん溜まっていくわけこのままじゃ」
「そこも含めてのゲーム性だと考えます」
「んーそうなのかなぁ、だってさ、バナナが1房の場合さ、1房って何本ついてるの?」
「2本〜5本です」
「いや、3本まででしょ」
「どういうことですか」
「バナナ1房を置くじゃない、でそれに接するように、右、上、左、に猿を置いたら、やっとバナナ1房が消えて、上の猿が1段落ちて、猿が3匹横並びになるわけじゃない、まぁほんと猿には消えてほしいんだけどまぁその話は置いといて、これがもしバナナ4本ついた1房だった場合さ、右、上、左、に置いても1本余ったバナナは消せないわけでしょ?」
「あ、もともと下にいる猿に接するように置けば、その時点でバナナは1本消えるんで、4本つきバナナは3本つきバナナになって、その右、上、左に猿を囲むように置けば、バナナは消えます」
「あー、なるほどなるほど、確かにそうか、え、でもじゃあ5本1房は無理だよね」
「無理ですね」
「無理ですねって、無理じゃダメじゃん」
「なので、5本1房バナナは、一生消えない悪玉的なアイテムです」
「それ要る?」
「要ります、楽しいのでそういうのあった方が」
「いや、だってさ、これが一番そういえば言いたかったことなんだけど」
「はい」
「バナナに接するように猿を置いたらバナナを食べてバナナが消えて、相手の陣地に何が行くんだっけ」
「ウンチです」
「そのウンチなんだけど、デザインもうちょいどうにかならないかな」
「と言いますと」
「一本糞は気持ち悪いって」
「バナナを食べたら一本糞が出るんで」
「いや実際そうかもしれないけど、こういうときって普通は巻き糞じゃない?かわいいお目目のついた巻き糞とかの方がいいよ」
「いえ、素の一本糞で行かせてください」
「素の一本糞でフィールドが埋め尽くされるの見てられないんだよ、猿もいっぱいいるところに一本糞がどんどん落ちてくるんだよ?」
「はい、なので陣地がウンチでピンチになると、猿たちが具合悪くなって青ざめた表情になる演出を施してます」
「施さないでそんなの、猿が可哀想でしょ」
「とことんリアルを追求したいんです」
「んー、あとちなみにこれは、連鎖とかはないの?」
「連鎖はございます」
「どうするの」
「たとえば、バナナが縦に2つ並んでいるところに」
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「猿を落とします」
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「猿が接したバナナを食べます」
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「するとバナナが消えます」
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「猿が1段落ちます」
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「猿がさらに下のバナナを食べます」
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「これで2連鎖で、相手の陣地にウンチが2本いきます」
「うん、ってことは連鎖を狙うには、あらかじめバナナを縦に何本も置いていくしかないってことか」
「いえ、バナナが横並びに2本あって」
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「片方の上部に接するように猿を置いて」
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「真下のバナナを食べてそこに猿が落ちて」
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「もう片方のバナナを食べるパターンもあります」
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「あぁ、じゃあ3つ横並びのバナナだったら3連鎖?」
「いえ、猿を真ん中のバナナの上に置けば、2連鎖目に両脇のバナナを食べますが」
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「端のバナナの上に猿を置くと、2連鎖目に1つ余ります」
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「なるほど、ってことは大連鎖を狙うには、バナナを縦に積んでいくしかないってことか」
「そうなりますね」
「あんま面白くないなぁ」
「面白いですよ」
「いや、たとえばさ、猿を5匹、接するように連なって置いておいてさ」
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「その猿5連のどこかに接するように5本つきバナナ1房を置いたら、猿5匹が列をなすように1本ずつバナナを食べる演出を施して、バナナも猿も一気にぜんぶ消えるっていう感じにするのはどうかな?それだと連鎖の可能性も広がるし、猿も消えて邪魔にならないし、一石二鳥だと思うんだけど」
「だからバナナを食べても猿は消えないし、5本つきバナナは消えない悪玉の役割があるんで、ゲームの根底が覆って最悪ですね」
「…社長だよ僕?」
「はい社長」