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生まれて初めての大喜利ライブ

職場の先輩に誘われて大喜利ライブに来た。

先日、とある事務所ライブに連れてってもらえて、今度はより馴染み浅い『大喜利』のライブに来た。

「笑点のやつですか?」って聞いたら「ダウンタウンのまっちゃんのIPPONグランプリって知らない?あの感じ」と言われて、やっとなんとなくわかった。

渋谷のその劇場は、満員も満員で、先輩についていったら最前列中央に座ってしまっていた。

客席の最前列中央、演者が見る用の小さいモニター、それを挟む形で左側に先輩、右側に僕が座った。

舞台上にはイスが2列に10こくらい並べてあり、ライブが始まって目の前の席にあのおかっぱの人が座った。

この間のライブでも見た人だ。

相方の小太りの人はその右後ろに座っている。

通常のいわゆる大喜利が終わった後に、『企画』というものが始まった。

この間の事務所が、所属芸人のバスツアーをするらしく、その旅のしおりがスクリーンに大きく映し出された。

集合時間から、イベント的なスケジュールが箇条書きで細かく書いてある。

このバスツアーのスケジュールを、もっと楽しいものに変えていこう、みたいな『企画大喜利』というものらしい。

出された回答を、MCの人がその場でノートパソコンで書き換え、スクリーン上の旅のしおりに反映させていく。

大喜利っていうのはこういうこともできるのかと、芸人たちのテンポのいい回答に圧倒されていた。

挙手をして、MCの人が当てて、ホワイトボードに答えを書いて出すという形なのだが、おかっぱの人はあまり手をあげない。

書いては消して、書いては消して、たまに手をあげて、みたいな、取捨選択をしている感じだった。

お。

おかっぱの人が手をあげた。

「『東京03』の下のところに、

(一つか二つ前の他の人の回答で、『東京03』がどうのこうのという書き換えがされている)

 シンスケサンバーベキュー」

ホワイトボードには、

『シンスケサンBBQ』

と書いてある。

これがそれほどウケておらず、僕もよくわからなかったが、5秒くらいして、

あっ!

と気付いた。

もうスクリーン上にはその言葉はないのだが、当初、元々の旅のしおりには、

『ジンギスカンBBQ』

という催しがあったのを思い出した。

それに掛けておかっぱの人は、

『シンスケサンBBQ』

と出したんだ。

さらに『東京03』の流れも受けて、

『シンスケサンBBQ』

って出したんだ。

おもしろい!

おもしろいぞ!

ごめんなさい!

すぐに笑えなくて!

でも、たぶん、おかっぱの人も、出す前にこう考えたと思う。

(スクリーン上にはもう『ジンギスカンBBQ』の文字は書き換えられていて、もうないが、お客さんはみんな覚えているだろうか?でもだからといって「『ジンギスカンBBQ』ってさっき書いてあったんですけど、」って前置きをするのはなんか違う気がするし、押しつけがましい感じがする。ならもう、お客さんが覚えている方にベットするしかない、いくか、まぁいくか、いまこの流れで出さないともう出せないしこれ…)

「えー、『東京03』の下のところに、『シンスケサンBBQ』」

(ややウケ…)

いや!

ごめんなさい!

もったいない!

いやぁ!

奥深い!

大喜利ってそうか!

あれだ!

パターゴルフだ!

距離を目測して!

風向きを読んで!

ちょうどいい力でコンッと打つんだ!

それをコンマ何秒の世界で決意しなきゃいけないんだ!

『ジンギスカンBBQ』がスクリーン上に残っているタイミングで、

さらに『東京03』の流れも汲んで、

『シンスケサンBBQ』

をコンッと打っていたら!

おかっぱの人は爆笑ホール爆笑イン爆笑ワン爆笑だったんだろう!

ライブが終わったら先輩に告白するつもりだったけど、先輩はチェキの行列に並んでいたので今はコンッのタイミングじゃないからまたにすることにした。

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完熟トマト新聞
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