アラームとスヌーズ
アラームは言う。
「こいつが何度も何度も何度も何度も殴ったんですよ」
スヌーズは言う。
「先に手を出したのはそっちだろ」
アラームは言う。
「確かに先に手を出したのは僕ですけど、だからってしつこいんですよこいつもうわかったわかったってなってんのに」
スヌーズは言う。
「だってわかんない奴にはこんくらいやって目を覚まさせなきゃいけないでしょ」
アラームは言う。
「だからってやり過ぎだってもう顔2倍くらいに膨れ上がってますよ」
博士は言う。
「まぁまぁまぁ、君たちはプログラミング通りに動いただけだから」
スヌーズは言う。
「え?」
アラームは言う。
「プログラミングってどういうことですか?」
博士は言う。
「とある資産家の方からな、『寝坊防止装置』を開発してくれと依頼があってな。アラーム、スヌーズ、君たちを作ったんだ」
アラームは言う。
「え、僕ってロボットなんですか?」
スヌーズは言う。
「俺も?」
博士は言う。
「君たちは正しく動いてくれたよ、おかげで目が覚めた」
アラームは言う。
「よかった、実験成功ですね」
スヌーズは言う。
「俺も資産家の仲間入りかぁ」
博士は言う。
「すっかり目が覚めたよ。さぁ、行こう」
アラームは言う。
「こいつと一緒はごめんだけどね」
スヌーズは言う。
「そっくりそのままお返しするよ」
博士は言う。
「まぁまぁ、君たちは無駄ではなかったよ。未来に繋がる失敗だった」
アラームは言う。
「え?」
スヌーズは言う。
「失敗?」
博士はレバーを下げる。
ガシャーーーーーーン!!
ペタンコになったアラームは言う。
「…なんで?」
ペタンコになったスヌーズは言う。
「資産家は…?」
博士は言う。
「毎朝こんな顔面が2倍に膨らむほど鋼鉄で殴られるもん渡したら資産家の間で評判が悪くなって商売あがったりだよ。もっと工夫する。あ。音!音だ!音にしよう!さっそく試作に取り掛かるぞ!」