M-1配置
「…という結果でした」
「ほぉ、やはり、M-1効果がここまで現れているのか」
「ですねぇ、MC右、審査員左は完全にM-1ですからねぇ」
「R-1効果はあったのかな」
「MCも審査員も左ですよね」
「あ…えっとそうだっけ?」
「あれ?そうだと思うんですけど」
「R-1は見た?」
「はい、見ました見ました」
「確かに毎年、MCも審査員も左のイメージだけど、今年って本当にそうだっけ?」
「んー、言われてみれば、確実にそうだったっていう自信がなくなってきましたね」
「こういうのあるんだよ、ずっとMC右で審査員左だと思ってて、カメラが引いて俯瞰になったときに逆だったっていうパターン」
「ありますあります!あれマジで不思議ですよね」
「んー、あっ!でも大丈夫!今年のR-1もMC左審査員左で合ってるわ!だって芸人がMCの右側にいて、審査員と喋るときにMCの方の左を向いてたから、完全にMC左審査員左だ」
「確かに!カバのやりとりのときの視線が完全にそうでした!」
「これで実は違いましたってなったらマジで何も信じられなくなるな」
「ゾッとしますよね」
「だからあれだよな、R-1直後だからこの22%ってだけで、アンケートとったのがこの時期じゃないともっと下がるよな」
「それはそうだと思います。その票はM-1配置に流れていくでしょうね」
「このR-1配置の流動票を確保するのがミソだな」
「やっぱり、MC右、審査員右、って、キショイんですかね」
「関西の賞レースでしか見たことないな。正直オレはキショイぞ」
「同感です。やはり我々もM-1脳になってるんでしょうね」
「ワクワクしないんだよななんか右右って」
「でもM-1との差別化を、MC席審査員席の配置で図ろうっていう意図もわかります」
「それでみんな失敗してんだよ」
「はい」
「お前だよ」
「はい、すみません」
「なんでMC右、審査員右にしたんだよその感覚があって」
「いえ、その、やはり、M-1との差別化を」
「いいんだよM-1で!M-1が国民に染みつけた、えーっとなんだ、56パーだから過半数だよ、これは世論なんだよ。キショイ配置にすんなよ」
「返す言葉もないです」
「視聴者に変なノイズを与えるなよな。それが運営の仕事だろ」
「はい。…えっと、これはどこかで放送するんですか?」
「現場監督のくせにそんなことも把握してないのか?」
「すみません。ちなみにどこで放送を…?」
「放送はされないよ。されるわけないだろこんな地方のホットドッグ早食いが」
「あ、あーそうですよね。よかったぁ」
「よかったじゃないよ全く。とにかくもうあと3時間でファイター入りだよ?どうすんのこれ」
「審査員席を左に動かせば、M-1配置になるんですが」
「無理だろ審査席はバラだったらまだしも繋がってるんだから7席分。てか7人も審査員を呼んでんじゃないよ!フードファイトに審査員いらないだろっていうかいま気付いたけど!」
「じゃあMC席を左に動かしましょう!そしたらキショイ関西配置は免れます!」
「MC左、審査員右、17%のやつね。まぁいいだろそれで」
「じゃ、さっそくMC席、動かしましょう」
「…え?オレがやんのか?」
「僕と、はい、2人で、そっち持ってください」
「お前のミスだろまったく…いいけど、はい、ってかこれ重いななんだこれ持ち上がんのか」
「せーのっ!」
「いや待て」
ガタン!
「あーーー!!いっっっ!!」
「大丈夫ですか!?」
「足の指ちょっと挟んだ!!」
「何指ですか?」
「親指!!謝れよ!!」
「すみません!!救急車よびますか?」
「そこまでじゃないそこまでじゃないよもう…」
「いやでもちょっと持っただけでもこれ無理ですね動かすの」
「なんか考えろよじゃあ」
「んー、台車的なのもないし…」
「いたいたいたい…腰もやったかもこれ」
「誰か呼ぶにも時間ないし…」
ダーイダーラボー
ダーイダーラボー
「あっ!ダイダラボーだ!ダイダラボーが山から降りてきましたよ!」
ダーイダーラボー
ダーイダーラボー
「おーい!!ダイダラボー!!こっちこっち!!MC席を左側に動かしてよ!!」
ダーイダーラボー
「違う違うバカかお前!ダイダラボー!!違くて!!MC席じゃなくて!!審査員席!!審査員席を左に動かして!!」
ダーイダーラボー
こうして、この地方に伝わる山の巨神・ダイダラボーが審査員席を左側に動かしてくれたおかげでM-1配置のホットドッグ早食い大会となり歴代過去最高の大盛り上がりになりましたとさ。
めでたしめでたし。
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