先生の学校:分校(4)

朝の会・帰りの会には大体シメとして先生の話がありますよね。これって結構大事にすべき時間なのですが、なんとなく何をするでもなく終わってしまっている先生方、多いのではないでしょうか?

私は53歳で初めて中学校勤務になりました。しかも赴任する前年には生徒が逮捕される(決して悪い子ではないのですが・・)事件もあった所謂荒れた学校でした。実際、着任の挨拶の時、壇上から見た生徒たちの景色には驚きました。女子も立膝、あぐら、話を聞く姿勢ではなかったのです。
初めての中学校だというのに3年の担任でした。そんな、いくら歳よりでも中学校経験が無いのに進路指導ができるの?
自分が不安でたまりませんでした。3学級ある真ん中のクラス。両隣の学級は中3担任の経験豊かな中堅教員の方でしたから、朝の会も帰りの会も生活指導や進路指導の話をされているのが感じ取れていました。

朝の会は伝達事項や確認事項も多いのと、すぐに1時間目が始まるので、必要な情報を伝えるだけでやっとでした。
そうなると勝負は帰りの会です。何しろ小学校と特別支援学校の経験しかないので、同じことから始めました。
学習クイズ・・・です。
専門の国語だけでなく、臨時免許で2年生に指導に行っていた歴史、中学校の各教科の教科書に目を通しておいて既習事項から問題を出し、班対抗でポイントを競わせました。
これに結構荒れていた生徒たちが食いついてくれました。楽しみながら復習になる、先生、これいいわ!そんな風に言ってくれました。

授業参観日も普段通りやっていると、あまりに楽しげな様子に両隣の学級の保護者さんものぞきに来られる始末。ありがたいと思いますが、そうなると学年としての統一が図れませんから、担任三人で話し合いはもちました。

長々と説教じみた話をしても逆効果です。学習って案外面白い!を実感させる時間と考えていました。
問題は小学校で習ったことからも出します。理科の実験器具の名前から簡単な暗算なども。次の問題は◯◯、とジャンルを示し、班の中で誰が解答するかも生徒たちに決めてもらいます。
だれでも答えられる問い、例えば漢字の画数なども織り込みます。更には芸能人ネタなども息抜きに織り込みました。

あくまでも一例です。
ただ、私のその時の教え子たちは社会人になった今でも、あれは楽しく役に立って良かったと言ってくれます。そして飲み会がある時はいつも声を掛けてくれる関係です。

みなさんも、朝の会や帰りの会を学級経営に役立つものにするよう、是非ひと工夫してみてほしいと思います。

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