改正電子帳簿保存法[令和4年1月1日施行]国税関係書類【スキャナ保存】(11)-留意点2-
国税関係書類【スキャナ保存】の要件以外で留意しておいた方が良いと思われる点がありましたので、ピックアップしてみました。
(共通)
スキャナで読み取り、折れ曲がり等がないか等の同等確認を行った後、
書類の書面(紙)は即時に廃棄して差し支えない(問3)
(共通)
他者から受領した電子データを書面等に出力して保存することは、
電子帳簿保存法や他の税法に基づくものではないため、
その出力書面等は電子帳簿保存法に基づくスキャナ保存の対象にはならない
(電子帳簿保存法に従った電子データの保存が適切に行われている前提で、
それとは別に各納税者が社内経理の便宜などのために
書面等への出力を行うことや、
スキャナで読み取るなどの処理を行うこと自体を禁止するものではない)
(ス追6)
(共通)
システムを変更した場合
変更前の書類は、変更後も要件に従って保存等が必要(通4-40)
変更前のシステムの記録の基となった書類を保存しているときは、
これを認める
書類の保存がない場合、法4条3項後段によりシステム変更日において
適法に保存している記録の保存を行う
(通4-40)
変更前のデータについて、
変更前のシステムにおいて検索機能を確保している場合
検索に使用する記録が適用を受けて保存している記録と
同一のものであることを確認できる必要がある
(問15)
(共通)
保存期間の途中で保存等をやめることとした場合
記録の基となった書類を保存していた書類を廃棄している場合、
その取りやめることとした日において適法に保存している記録を、
保存期間が満了するまでそのままそれぞれの要件に従って
保存することになるが、
記録の基となった書類を保存しているときは
当該書類を保存する必要がある
(通4-39)(問59)
仮に保存要件を満たしてその記録の保存を行うことができない場合
(紙原本の保存がある場合を除く)、
その電磁的記録について、
その書類の保存すべき期間が経過する日まで保存しておく必要がある
この場合、各税法上の書類とはみなされない
(問59)
(共通)
課税期間の途中で要件を満たせなくなった等で
保存等をやめることとした場合
やめることとした書類は、やめることとした日以後の新たな記録分等
について書面で保存等をしなければならない
やめることとした日に保存等をしている記録等のうち、
保存要件を満たせなくなるものは全て書面(紙)に出力して、
保存期間が満了するまで保存等をする必要がある
(問34)
関連条文等
電子帳簿保存法取扱通達4-39、4-40
(電子帳簿保存法取扱通達解説(趣旨説明))
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/030628/pdf/01.pdf
電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】問34
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021006-031_01.pdf
電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】問3、問15、問59
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021006-031_02.pdf
お問合せの多いご質問(令和3年11月)ス追6
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021010-200.pdf
おわりに
今回で、国税関係書類【スキャナ保存】の内容は終了となります。
こちらの留意点については、重要書類、過去分書類、一般書類について、全て同じ要件となっています。
電子データで受領したものを出力して、さらにそれを保存することは対象にならないため、今までの流れで出力していた場合は、やりがちかもしれないため、流れを再確認して、必要に応じて周知しておくと良いでしょう。
システムの変更は、継続して経営をしていく中であり得ると思います。
変更前に、導入を検討しているシステムが変更前の書類についても各要件を満たす形になるのかをメーカーや業者の方へ確認した方が良いと思われます。
これからの社会において、国税関係書類は今以上に電子取引が主流となってくることが考えられます。
その流れの中で、契約書等の一部難しいものを除き、できるものはできるだけ電子取引に移行をしていく方向にしていくことも良いかもしれません。
この要件を含めて、スキャナ保存よって、管理の流れを改めて見直す良い機会と考えられます。スタッフへの周知も含めて、この際にしっかりと体制づくりをしていきたいですよね。
今後、ペーパーレス社会がますます広がっていくことを想定しますと、制度をしっかりと理解して、体制構築をしていくことは社会的にも良い方向と考えています。
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