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【眩しすぎる愛が暴走する映画】ボルテスVレガシー

皆さんはボルテスVをご存知でしょうか?
これは1977年に放送されたロボットアニメです。日本で放送された時にはそこそこでしたが、これがフィリピンで放送されると何故かとてつもない人気になりました。
アメリカのシンプルなストーリーのコミックに慣れたフィリピンの子どもたちにとって出生の秘密を持った主人公とかボルテスVチームの熱い友情や葛藤と言った日本風の細かいストーリー展開が衝撃的で視聴率59%と言うような驚異的な支持を集めたようです。
今でも主題歌を歌った堀江美都子がフィリピンに行くとVIP待遇でパトカーが先導してくれるそうです。

私もフィリピンへ出張した際にこの事を知り、去年から実写版のボルテスVがフィリピンで放送され出した事など注目していたのですが、今回映画版としてまとめられ東宝の全面的な協力のもとに日本への凱旋が果たされると聞いて公開を心待ちにしていました。

そして満を持し、昨日観に行ったわけですが随所にフィリピンとそれに応えた東宝のボルテスV愛を感じました。まずはパンフレット。わざと古い漫画雑誌風の配色やレイアウトにして角をわざと色を抜いて経年のスレを表現しているのには驚きました。そして鑑賞者サービスのペーパークラフトを貰って中に入り、いよいよ映画が始まりました。

珍しくパンフレットがペーパーボックスに入っていた。あと、角にわざとつけた色を抜いたスレに注目肝心の映画の内容なのですが。


入場時サービスのペーパークラフト


正直あまり面白くありませんでした。

いや、特撮は良かったですよ。ボルテスチーム出撃から合体のシーンには感動しました。主題歌が日本語で流れた時には正直感極まりました。
しかし、どうもボルテスVに対する愛情が強すぎると言うか、ストーリー展開がまどろっこしく感情の表現でタメが異常に多すぎたり、なかなか必殺技を出さないとか、これも当時のアニメへのリスペクトなのでしょうが、とうとう最後まで世界観の説明が全くない(そんなの知ってるでしょor続編を作る気まんまん)とか、フィリピンの映画作りの作法の違いもあるのでしょうがあまりもオリジナルへの愛情が過ぎた内容でした。
しかも今回はまずいことに嫁を連れて見に来てました。明らかに呆気に取られてました。このあとの事を考えて少し胃が痛くなりました。

眩しすぎる愛情と言うのは見えづらいものだと思い知った次第です。


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