先生が怖くなった
みなさんにとって先生ってどんな存在ですか??
私にとって先生とは私の個性や過ちを包み込んでくれる、聖職と呼ばれるに恥じない存在です。
しかし。
小学校低学年の時の経験がきっかけで、
「怖い存在」になってしまいました。
小学二年生の時、私の担任の先生は40代の女性でした。
生徒からも先生からも慕われる、ベテラン教師。
快活とはこの人のためにあるような、元気ハツラツとした先生で僕も大好きでした。
しかしとある火曜日のことです。
事件は起きました。
生徒Aが先生に「昨日のHEY! HEY! HEY!見た??」と聞いたときでした。
「・・・・なにそれ?」
先生は生徒Aの目を・・・いや、その目を突き抜けて、先生の視線は生徒の脳内に潜む虚無を見つめているかのような、不思議な瞳をしてそう言いました。
え?この先生・・・もしかして・・・・
HEY!HEY!HEY!を知らない・・・??
いや、そんなわけない。
今の子供たちには分からないかもしれないが
現在、不定期で放送されているHEY!×3は当時は毎週月曜日のゴールデン帯でみんなが釘付けになっていた怪物番組。
そんな人気番組をこんな大人が知らないわけない・・・
HEYの発音が気に食わなかったのか・・・???
でもまだ英語未就学児にそんな厳しい態度・・・
生徒Aは一気に得体のしれない生物となった先生に問うた。
「え?知らないの?ダウンタウンの番組!!」
これで完璧だ!!
確かに番組名を認識せずになんとなく見てる番組ってありますよね??
あれか!
ダウンタウンがやってる音楽番組。。。とまで嚙み砕けば
きっと・・・・
「・・・・ダウンタウン?・・・」
私は怖かった。
こんなにも快活なのに。
この人は・・・・
ダウンタウンを知らない・・・
人生で初めて感じた
しっかりとした恐怖だったかもしれない。
なんかこのダウンタウンを知らないという事実が
今まで、その先生から感じていた人間味を全て消した感じがした。
この人は学校でこんなに快活なのに
家に帰るや否や笑顔はたちまち消え失せ
テレビもない真っ暗い部屋で体育座りをして次の日の学校が始まるのをひたすら待つのだ。
睡眠もとらずに。
時々。忘れないように笑顔の練習をして・・・
ダウンタウンを知らないというだけで先生のこと、怖くなってしまいました。
それ以降。
他の先生が「昨日の○○(テレビ番組)見た??」という話をするたびに
先生に対して人間味を感じるとともに
人間に化けている地球外生命体が知恵を付けて
こちらを安心させて騙すためについてる嘘にも聞こえるようになりました。
これが
先生が怖くなった日の話でした。
良いお年を。