緊張対策のアドバイスはあるが、緊張の理由は掘り下げる機会がない問題-キャリコン 2級受検記録 vol.29
「緊張」について臨床心理士さんにカウンセリングしてもらった。
キャリコン 2級、3度めの受検にあたり、もうひとつの課題がありました。
緊張対策です。
「深呼吸をしなさい」
「部屋の四隅を見なさい」
「足の裏をしっかりと地面につけなさい」
「緊張するのはあたりまえと思いなさい」
いろんな緊張対策がありますが
全部に共通するものがあります。
なんだかわかりますか?
そう。すべて一方的なアドバイスなのです!
「緊張するので困っているんです」
という困りごとを一切受け止めてないんです。
いくら、深呼吸をしても緊張するものはします。
私の場合、試験室のドアの前が一番緊張しました。
抑えようとしても心拍数が上がる感じでした。
そういえば
「なぜ、緊張するのか」という課題を考える時間がないな。
ということに気づきました。
緊張のアドバイスはたくさんあるけれど
緊張の理由を考える機会はない。
この問題に向き合うこともまた
試験対策であり、自分の人生の課題でもあると気づいたのです。
このチャンスをどうやって使おうか、と考えて
ある方策を実行することにしました。
それは臨床心理士さんにカウンセリングを受けることでした。
臨床心理士さんをどうやって探そうか。
どうせなら、縁もゆかりも少ない方がいい。
ちょうど、関西カウンセリングセンターで
カウンセリングの講座を受講していたので
先生に、おすすめのカウンセリングオフィスを紹介していただきました。
全6回のセッションでした。
緊張について、ひたすら語り、聴いていただきました。
実際のところ、めちゃくちゃやりにくかったのではないかと思います。
なにしろ主訴が「面談試験で、相談を受ける時、緊張する」ですから。
よく聴いてくださったと思います。
面談試験の場で感じたことや20分という時間内で
どんなことを考えていたのか、思っていたのかを
ひたすら話していくのですから。
「20分で見立てまで要求される試験なのですか」と素でひかれました。
心理の面談では、早ければインテーク、あるいは2、3回面談をしてから
見立てを伝え、今後の方針を決める
とカウンセリングの講座では教わりました。
そこから考えると、キャリコン 2級の試験というのは
臨床心理士の先生にとって、相当異世界だったと思います。
それでも、先生は誠実に向き合ってくださいました。
正直2、3回目の面談くらいは、相当にきつかったです。
生育歴、どんな子ども時代だったのか、親との関係はどうだったのか。
仕事をしはじめてからはどうだったか。
30代は、40代は、根掘り葉掘り聞かれた感じがしました。
実際「興味のままに聞いてしまったかもしれません」
と言われたこともありました。
とはいえ、粘り強く話してみるといくつかの発見がありました。
まず、私が緊張するときには2つのパターンがあったのです。
1.緊張しているから、実力以上を発揮できるとき。
2.緊張しているから、全然ぐだぐだなとき。
まずそれぞれのパターンを分析しました。
緊張したから、うまくいくとき。
このパターンのときはの心理状態はこうでした。
「私はこの場で実力不足と思われているから、それを払拭したい」
という気持ちが強いときでした。
チャレンジャーのポジションのときは、かなりうまくいくのです。
一方で緊張したから、うまくいかないとき。
これは、少し油断しているときでした。
チャレンジャーのポジションを忘れたときでした。
これは期待外れにさせてしまいます。
カウンセリングで
私はこの2パターン を繰り返してきた、ということに気づきました。
ところで、キャリコン2級試験についてはどうでしょうか。
これはこれで、独特の感情がありました。
1:うまくいきたい、という気持ちが強い
2:全方位に気が配れずに、注意力が落ちてしまう
3:針の時計がうまく読めなくて、終了時間に不安がある
大きく、この3つがでてきました。
これをどうするか、について話し合いました。
1と3は簡単でした。
1はひたすら練習する。
3は、面談の最初にこう言うことでクリアしようとしました。
「今からこの時計で○○分くらいまでお話を伺っていきます」
これによって相談者を邪魔しないトーンで、自分の中に時間感覚を植え付けることができました。
2について、何が起こっているのか。そこのカウンセリングは答えがなかなかでませんでした。
がしかし、5回目で変化が起こったのです。
それは突然でした。
面談の後半だったと思います。
ふいにある思いが浮かびました。
前後と全然関係なくこう言ったのです。
「私、相談者が心動く瞬間を見るのが好きなんです」
続いて、数日前の相談エピソードの話をしました。
自分でしようと思った、というよりも、自然に言葉が
でてきたのです。
労った瞬間に、相談者が泣き出したときの話でした。
実は、この時期、2回、相談者の嬉し泣きを目にしました。
それは、まぎれもなく、人が前を向く瞬間でした。
だた労っただけなのに。傾聴しただけなのに。
いや、労い、傾聴したからこそ、余計な質問をしなかったからこそ
できたことかもしれない。
その話を一気にしおわったとき、はっきりと自覚したのです。
「私は、相談者の心動く瞬間を見るのが好きだから
カウンセリングやキャリコンをやっているんだ」
ということを。
そして、このことは私の心のあり方を大きく変えました。
緊張するとか、しないとかじゃない。
相談者の心動かす面談をしたいんだ、と。
そして自分にはそれができるんだ、と。
自分ができることを証明するのがロープレ なんだと。
私はここから、ロープレで緊張することがなくなったのでした。