見出し画像

『がんばっていきまっしょい』思うところ

予告が一番つまらない!!

がんばっていきまっしょいのを見た私の初見の感想だ。予告はなんで惹かれなかったんだろう? なるほど、私には見る目がなかったんだな。よし、もう1回予告を見よう。

ふーむ・・・?
やっぱりこの予告だけだとスポ根青春アニメじゃないか。
「お遊び不要、まじめに部活して、がんばっていきまっしょい!」という感じを伝えたかった?

ひととおり全部1回見終わった方はどういう印象を覚えたんだろうか。
私には映画見終わったあと部活動を中心とした日常系アニメという印象をうけた。

ちなみに私は原作を知らないし、事前の声優情報も、主題歌のグループも知らなかった。事前情報という意味では映画予告だけ映画館で見た程度。予告の限りでは見たいという感情を抱かなかったのが正直な感想だ。

というのもオリジナルアニメを見るのはなかなかハードルが高い。映画を趣味にしている自分でもアニメだからという理由では見に行かない。

1回の娯楽でそれも90分で2,000円という額は人によって感じ方は異なるが高い方だと思う。読書を趣味する人は本1冊800円~1,000円だろうし、極端に言えば散歩はタダだ。2000円ならそこそこ美味しいもの食えるんじゃないか。とでさえ思えてしまう。私はどうもケチだ。

というわけでケチな私からするとそれなりの感動体験を求めてしまうわけで。見るとなると覚悟というか、期待値のハードルを勝手に上げてしまうので最初の一歩が重い。なので予告の時点が面白くなかったら、見る気が起きなくなってしまう。

じゃあ、なぜ見たのか。
予告が一番つまらないということを一度経験しているからだ。「アイの歌声を聴かせて」。一度予告を見てほしい。

ポンコツロボットとかミッションとかのテロップが表示されている。ロボットが悩み相談を解決するミッションアドベンチャー…?ということなのだろうか。

しかし実際に本編を見ると感情豊かなロボットを軸にした感動青春アニメだと分かる。
これぽっちもポンコツ感はなかったし、久々に映画館で泣いたりして良作映画だった。見終わったあと、予告の宣伝については少々疑問を呈した。

本編が面白かったのは、キャラクター同士の掛け合いが見ていて微笑ましく感じたからだと思う。そして、がんばっていきまっしょいにも通ずるものがあった。せっかく本編が面白いのに、、、やっぱり残念だった。

前置きが長かったが、
がんばっていきまっしょいの良かった点と惜しい点を忘れないうちに
振り返りながら書き留めておきたい。(以降、本編ネタバレあり)




良かった点

1.あだ名呼びのおかげでストーリーに集中しやすい

私は人を覚えるのが苦手だ。3人でもきつい。アニオタのくせに名前覚えるの苦手とかどうするんだ。アニメキャラは学生やってんだったら、普段から名札貼っとけよと時々思うけれど、そういうのはここでは割愛。

ちなみに普段テレビでは字幕つけて名前を覚えようとしているのは内緒…。結構オススメの視聴方法。

話は戻って、がんばっていきまっしょいの登場人物は5人。無理だ。終わった。

   「あだ名で呼ぼうよ!」


あなたが神か。
主要キャラは5人の女子。「悦ネエ」「ヒメ」「ダッコ」「イモッチ」「リー」。あとはサブとして男の「二宮」とライバル校の「梅子」の2人を押さえておけば、困らない。

ということで序盤で余計なストレスを減らしてくれたので、見やすかったというのは大きなプラス要素だろう。原作でもあるのかな?

2.90分のテンポ感

がんばっていきまっしょいの感想ツイートを眺めていると評価が高い人のほとんどは、このテンポ感について語っているようだ。

なかでも個人的に印象的だったのは、後半に入りリーが悦ネエを叩いた直後のシーン。人が人を叩くというのは、シリアス展開まっしぐらで大体がピリっとしたシーンが続くことになるのだが…。

場所が変わってリーが屋上で大泣きした後、いきなり愉快なBGMになるのだ。シリアス終わり!さあ次の展開だよー!というノリのいい音楽。
どこか希望があるような、そうでなくともスッキリとした目覚めに近いような…。言葉では表現しにくいが、絶対に暗くなることはない、そんな明るい曲。これだから90分映画はやめらないぜー!

3.負けず嫌いな5人

これこそこの映画のミソだと思う。
5人の女子高生がメンチきっちゃう映画なんて初めてみた。この映画もしかしなくても面白いな?!序盤でこういうワイルドなシーンがあったからこそ好きになったのかも。

ライバル高校相手に挑戦する5人だったが初挑戦した大会では最下位という結果になる。

これをきっかけに本気で部活動に励むという、青春らしい王道展開になるわけだが、そこへの熱意の表現の仕方がアニメらしくていいのだ。

テンポとの兼ね合いもあり、そこが可笑しくて癖になる。笑いながらポジティブになれる。そんな作品が私はとても好きだ。

4.いきいきとしたCG

・目がきれい。目の奥が透き通っていてさわやかさが伝わる。
・水がきれい。練習シーンは海が目に留まるのでこのキレイさを伝えるにはCGがベストだったんだろう。
・空がきれい。高校時代を振り返ると天気も一緒にセットでよみがえるので、一つ一つのシーンが素晴らしかった。

と、ポエムぽくつぶやいたが、実際きれいだった。CGアニメって一瞬油断すると機械ぽくなるので、個人的にはリスキーな選択だよなと思っている。
でもCGでよかったんだな、と見終わった後ならそう思える。

5.オーディオドラマCDで解像度があがる

2週目の特典についていたオーディオドラマ。
これは、アニオタ大歓喜展開でして。3年目になってクラス替えをするときの話。ヒメが悦ネエのことを普段どう思っているかがわかるのだが…。

ああ・・・エモい。本編で入れたら尺も足らないし、仕方ないけど…。
ここで爆弾を投下するのはやめてほしい。悦ネエにどんだけラブなんだよ。この設定だけで1冊小説書けるのでは。

6.ヒメの「あははー」

あははー。ヒメの口癖なんだけど、これが癖になってしまいたまらないです。結構自然なしゃべりなので、1周目だとあまり違和感なかったものの、2週目以降は気になって仕方なかった。序盤からかなり言っているようだ。

惜しい点

1.予告がつまらない

最初に散々語りつくしたので、ほぼ言うことないです。勿体ない…。本当にそれだけ。キービジュアルの悦ネエがもう少し笑ってたら違ってたのかな…とか。色々考えてしまう。キービジュアルで面白そうだと思えた人はどれくらいいたのか…。

2.悦ネエの心理描写が1周目で読み取りにくい

二宮が色々ワンツーマンでサポートしてくれるおかげで段々と悦ネエの中で恋心が芽生えるシーンがある。

片思いになり、気合を入れて浴衣も着て夏祭りに参戦するものの、とある勘違いがきっかけで、二宮とはうまく会話することもなく失恋状態に。
青春らしさはあるが、テンポがよすぎてこのイベントに関してはもう少し丁寧だったらなあと思う。テンポの良さと矛盾しているようだが…。青春イベントだしやっぱり、ね…。

3.オール漕ぐの途中でサボるな

頑張ることに希望がもてない、という悦ネエの性格説明は序盤にあったが、オール漕ぐ手を止めるのはどういう行動原理なんだろう。とりあえず手は動かしなよーと思った。手を止めるシーンは中盤にもあるので、やはりこの行動が未だに理解できていない。

悦ネエ以外にも、1度大会中に試合放棄状態になってしまうのもあり、どういう神経してんだ、と思った。運動しながらの考え事は普通に危ないし…。てかヒメそれでケガしたね。

―――――――――――――――――――――

おわりに

以上、ところどころ気になる点はあるもののかなりの良作でしたね。
私は2,000円払う価値はあったと思えます。
原作も一度買って読もうかなあと。

特典2週目聴いてヒメ大好きになりました。
相変わらずオタクだなあと思います。

それにしても心残りなのは、これ以上、公式側から燃料を投下することが厳しいという点。また、知名度が低いというだけで忘れ去られるのはつらいです。

この生き生きとした個性豊かなキャラクターたちがこのまま公開終了後に見る影もなくなってしまうのは非常につらいです。くどいですがやはり勿体ないです。

いつ公開終了するか分からないので気になったら是非みてほしい作品でした!


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集