400字で分かる落語「丑の刻参り」2
「う」の29:丑の刻参り(うしのこくまいり):その2
【粗筋】 暗がりでまごまごしている丑の刻参りを見付けた神主、どうしたのか尋ねると、「はい、釘を落としました」
【成立】 明和9(1772)年『楽牽頭』の「丑の時参り」は向島の秋葉神社が舞台。安永8(1779)年『気のくすり』の「神木」は、金槌の頭を落としたと言う。王子稲荷が舞台になっている。凄みを感じる丑の刻参りだから何ともおかしい。古今亭志ん生(5)の調子がまた何ともおかしかった。その後誰か演ったかなあ。
【蘊蓄】 謡曲『金輪』は、女が生霊となって現れ、男は鉄の輪で守る対抗策を施す。女の霊が「これは金輪ない」と退散する。この二人のやり方が合体して、丑の刻参りになった。