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400字で分かる落語「おいてけ堀」1

「お」の4:おいてけ堀(おいてけぼり):その1
【粗筋】 旗本屋敷の火事、母は娘を救おうとして落ちた梁の下敷きになって死に、娘も顔が火に包まれたため、額に吐けが生えず、二目と見られぬ化け物となり、人前に出なくなる。父親は後添えをもらい、気に行った若者を屋敷に住まわせて世話をするようになるが、ある寒い夜、若侍が後添えに言われて娘の布団に入れてもらうが、真っ暗なので顔は見えず、関係を持ってしまう。娘の妊娠が分かると、本所の伯父のところへ連れて行く。伯父は、
「娘がいるが、手を出す気にはならねえな」「それが出しちゃったんで」
「一度きりだろう」「度重なりまして」
「子供でも出来たらどうするんだ」「だから連れて来たんで」
 伯父さんびっくり。結局若侍、娘を「おいてけぼり」にして逃げ出す。娘は身を投げて死に、怨みを言おうと化けで出るが、みんな顔を見ただけで卒倒するか逃げ出すか……若侍の居所を聞くことができないという……「おいてけ堀」でございます。
【成立】 古今亭志ん生(5)の録音が残る。「化物娘」というのが同じ噺か。ひどい話だが、志ん生の語り口だから面白いのかも。

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