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【岩手県久慈市】やませ土風館の「レトロ館」は、もっと注目されてほしい

 久慈くじ市は岩手県北部にある街だ。
 以前紹介したもぐらんぴあの他、久慈琥珀博物館久慈渓流で知られ、NHKの朝の連続ドラマ小説「あまちゃん」の舞台である北三陸町のモデルになった街としても有名だ。

 さて、久慈市には2つの道の駅がある。

 1つは道の駅いわて北三陸
 2022年の8月に作られた比較的新しい道の駅で、久慈市の郊外に位置する。
 郊外とはいえ国道45号沿いにあることからアクセスは良く、フードコートが充実していて駐車場も広く、ポケモンとのコラボで作られたイシツブテ公園もある。
 また、隣にはガソリンスタンドが併設されているが、訪れた際には道の駅で1000円以上購入した最近のレシートを見せるとガソリンが2円引きになるシステムだった。

北国の雪という弱点のこおりタイプを
健気に耐える、イシツブテ公園のポケモンたち。
恐らくHBかHD振り個体なのだろう。
因みに久慈市には複数のポケふたがあるが
琥珀の産出が盛んな地域ということで
ゲーム中でも「ひみつのコハク」から復活する
プテラが大きく描かれている

 そしてもう1つは道の駅くじ やませ土風館どふうかんだ。
 こちらは2008年に作られた道の駅で、久慈市の中心部にある。
 いわて北三陸の売店では周辺地域の有名ラーメン店の味を家で食べられるセットや惣菜などが売られており、魚についても手頃な値段ながら、それなりに見栄えのする見た目やサイズのものが売られている印象だった。
 こちらでは勿論土産物も売られているが、恐らく普通のスーパーなどでは取り扱わないサイズや種類ながらも手頃な値段の魚や明らかに周辺に住む人向けの惣菜も売られているなど、よりローカルな印象を受けた。
 展示物についても久慈市のみならず周辺の北三陸地域を包括的にPRしているいわて北三陸に対し、こちらは久慈に特化した道の駅と言える。

久慈市の文化や自然についての展示
メインになっているのは北限の海女だ
主役を務めたあまちゃんの放送終了から10年余りが経過し
現在も精力的に活動しているのん氏は
今でも久慈市のPR活動を行っている
サイズと迫力の凄まじい久慈祭りの山車。
2階からも見ることができる
久慈市を含む三陸ジオパークの案内

 さて、このやませ土風館の2階にはその名もレトロ館という施設が入っている。
 1階だけでも道の駅としては十分充実していることもあり、訪れた経験がある人でも存在すら知らなかった人も多いかもしれないこの施設。
 先日初めて入ったのだが、知らずにいるには勿体無い面白い施設だったので紹介したい。

レトロ館に通じる通路に展示された
かつての久慈市の写真やホーロー看板

 レトロ館は久慈市に住んでいたコレクターの中野正利氏が集めた、様々なコレクションを展示している施設だ。2022年に亡くなった正利氏に代わり、現在は夫人の中野祐子氏が名誉館長を務めている。
 コレクションの内容は昭和30年代のおもちゃを中心に、生活用品や書籍、ポスターや車など非常に多岐に渡り、しかもどれも非常に状態が良い。

レトロ館の入り口にある
正利氏を紹介する新聞記事の切り抜き。
写真右下の古雑誌は実際に読むこともできる
レトロ館入り口の映画ポスター。
レトロ館の近くにはカフェも併設されているが
営業時間が短めなので注意

 レトロ館に入る際は、吹き抜けの階段を上がってすぐの場所にある道の駅事務所で料金を払うシステムになってある。

 分かりにくい場所にあることも相まって「よくある小さなコーナー」程度に思われるかもしれないが、展示方法が凝っている上に数も多く、この金額を払う価値は十分すぎるほどにある。

ドアの向こうが有料コーナー。
入ってすぐのところは銭湯を模した展示になっている
入ってすぐの場所に展示されている雑誌やサイン
コーラ自販機。
残念ながらこちらは稼働していなかった
販売用の冷蔵ケース。
こちらも稼働こそしていないが、かつての飲料の
空き缶が展示されている徹底っぷりだ。
上には岩手のローカルドリンク「山のきぶどう」の
ポスターもある。
どうやら製造している佐幸本店は久慈市にあるらしく
道の駅の1階でも様々なサイズ・種類が販売されている
銭湯の湯船の中には
北限の海女と南部潜りの潜水士の姿が
銭湯絵風のイラストのモチーフになっているのは
久慈市の名誉市民第1号、三船久蔵十段。
因みにやませ土風館から車で5分ほどの場所には
三船十段記念館がある
なぜか番頭はくまのプーさんの
巨大なぬいぐるみが務めている
ロッカーを模したケースの中にも
細々とした展示物が様々並べられている。
話に聞いたことはあった昆虫採集キットも初めて実物を見た
往年のスターのポスターや容器、生活用品が
展示されているのだが
きちんと流し場を模してあるのが細かい
銭湯コーナーを抜けると
昭和の街並みを再現したエリアに入る。
ここからはレトロ館のメインであるおもちゃ関係の
展示が続くのだが、種類ごとに並べられた
大量のおもちゃは圧巻と言わざるを得ない
最近大きくデザインが変わったことで話題になった
ヤン坊マー坊の昭和40年代の姿の看板。
自分の知るヤン坊マー坊とはまた違った姿だが
こんなに可愛い時期があったことに驚きだ。
企業イメージとしてはとにかく
個人的に親しみ深い平成の姿や今年発表された新デザインより
この姿の方がグッズ映えする気さえする
今ではほぼ完全に見られなくなった
たばこ屋の展示。
レトロ館のすごいところはこういった小物に対して
きちんとジオラマ的にしているところだ
ホーロー看板のために再現された民家の塀。
道の駅の2階にある施設であることを忘れそうな作り込みだ
民家風のケースに収められた文化人形たち。
上の板ガラスも最近はかなり貴重なものになっていると聞く
土産物系の人形のコーナー。
赤い街灯を羽織った女性の人形が
今でも十分通用するほど美人で目を引いた
圧巻の特撮作品のソフビ人形達。
平成に入ってからのものも見られる
展示物はもちろん看板にも注目。
小ネタが挟まっていて面白い
土産物系が展示されているのはウルトラ萬
特撮関係のソフビ人形が展示されているのは
アストロ玩具
玩具屋以外にもスナック?が再現されたコーナーなどもある
こちらはレコード店と思わしき展示。
かつては本当にのような風景が広がっていたのだろう
撮り忘れてしまったが最奥の更に細い道の先に
レトロ神社という場所もあった

 類似の施設は様々あるが、展示物のいい展示方法といい中々に面白い施設だった。

 久慈を訪れた際は是非ここにも立ち寄ってほしい。

昭和の思い出博物館 レトロ館
住所 :岩手県久慈市中町 2丁目5 - 6 道の駅くじ 2階
開館時間 : 9:00~17:00
入館料 :一般 300円、中高生200円、小学生100円


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