『人間関係ってどういう関係?』を読んで会社の人間関係について考えた

仕事の悩みで、転職の原因で上位にくる「人間関係」ってそもそも何?と思い、人間関係に関する本を読んでみた感想。
人間関係の改善方法については書いていないので、悩みの解決にはつながらない気がする。
ふんわりした人間関係という言葉を整理できるので、今の職場の人間関係について少し客観的に見られるかも…?
『人間関係ってどういう関係?』を読んでないと、以下の感想わかりづらいと思います…

会社の人間関係について

1.人間関係の分け方

本の中では個人同士の関係として、
身近な関係身近でない関係を紹介している。
身近でない関係については「社会」という単語で言い換えられるらしい。

つまり、家族、友達、恋人、ご近所、夫婦、会社、そういう具体的な関係を全部取り除いたとき、バラバラになった一人ひとりが個人、そういうバラバラな人間がバラバラなまま集まったのが社会なのです。

『人間関係ってどういう関係?』p32

会社の人との関係は身近な関係となりそう。
おそらく、会社の人の中でも、ある程度の規模の会社になると、話したことのない人も増えてくると思うので、その人との関係は身近でない関係に近い気がする。
その点に関しては本でも触れられていた。

そう、会社は、例えば家族のような種類の「ウチ」からすると、「ソト」に見えるけど、社会という究極のソトからすると、やはり小さな集団で、社会に比べて相対的に身近な関係に入るのです。

『人間関係ってどういう関係?』p38

会社が同じでない接点のない人との関係性に比べれば、確かに身近と言えそう。
また、人材派遣会社から他の会社に仕事をしに行っている場合、自社に対する関係性が社会に近づきそうな気もした。
身近な関係性がはっきりしている(「ウチ」に近い)ほど、転職とかも起きづらかったりするのかなと思ったり…
(「ウチ」の例として家族がでてきたので、ふと思ってしまった…)

2.身近な関係の分け方

本の中では身近な関係について
①「タテ」と「ヨコ」
②「相補」と「共同」
で分けていて、それぞれ以下のようなキーワードが載っていた。

タテ:目的、非対等
ヨコ:対等、自由
相補:1対1、集中、閉→個人的
共同:多数、拡散、開→社会的

『人間関係ってどういう関係?』p134

組み合わせのパターンとしては、以下の4パターン。
自分の理解と合わせて、本の中で紹介されていた会社内での具体例も併記。

①「タテ」の「相補」:ジャニー喜多川さんの悪い例
→カリスマ的な人物に頼っている関係?の理解

②「タテ」の「共同」:上司と部下の関係の例
→お金を儲ける目的のために、命令系統を作って、効率よく動く理解

③「ヨコ」の「相補」:著者と編集者の関係の例
→お互いに足りない能力を補い合うような関係の理解

④「ヨコ」の「共同」:同じ会社に所属している関係の例
→同じ案件を役割分担しているような関係の理解(上司が同じ部下)

会社の関係に関しては、どれか1つが当てはまるのか?と思って読み進めていたが、そんなことはなく、会社の中でもそれぞれ4つの身近な関係が存在し得る可能性があると書かれていた。

だって、会社は確かに一つのまとまり(集団)だけど、それは多くの人間関係が複雑に合わさったものだと考えることができるからです。上司と部下の関係、つまりタテの共同性だけでなく、同僚とのヨコの共同性もあるだろうし、その他の関係も多分含まれています。

『人間関係ってどういう関係?』p157

そのため、それぞれ自分の周りにある関係がどの関係に近いかを考えつつ、理解していく必要がある。
自分の場合は周りに年配の方が多いので、「タテ」の「共同」が多いと感じた。
しかし、経験を積んでいる年配の方に自分が教えてもらう場面が多いと考えると、「タテ」の「相補」とも言えそう。

3.仕事の身近な関係はどれに当てはまる?

読んでいると、仕事関係は「共同」になるのか?と思ったが、「相補」の例も紹介されていた。

③「ヨコ」の「相補」になる場合

紹介されている例として、著者がお世話になっている編集者の方との関係を「ヨコ」の「相補」と捉えていた。

もちろん、「いっしょにいい本をつくりましょう」という共同性がないわけじゃない

『人間関係ってどういう関係?』p158

上の文章からも「相補」と「共同」は共存しうるけれど、どちらが強いか考えてみると…みたいな形で考えているのかなとも思った。

また、本の中で身近な関係は変化することについても触れられていたので、最初は「ヨコ」の「共同」だったものが、仕事を重ねていく中で、「ヨコ」の「相補」に変化した可能性も考えられる。

①「タテ」の「相補」になる場合

対比のため、「タテ」の「共同」の例から紹介。
上司部下の関係である「タテ」の「共同」が例として、本の中では以下のように紹介されている。

例えば、上司と部下の関係なんかの場合、「利益を上げる」という共通の目的があって、それを効率的に達成するために上下関係ができる。でも、もし共通の目的がないんだったら、上下や支配、そういうものの意味はないわけです。

『人間関係ってどういう関係?』p196

確かに「利益を上げる」という目的がないのに、命令されても困る…
具体的には、社内の飲み会とかへの参加とか?
(会社でのコミュニケーションが円滑になって…という意見もありそう)

本の中では、上司部下の関係は、部署異動(または会社を辞める)で抜け出しやすいと書かれている。(抜け出せない人もいるが…)

一方、抜け出しづらい関係として、「タテ」の「相補」が挙げられており、
具体例として、親子の関係が挙げられている。
ジャニー喜多川さんの性犯罪についても触れられており、会社の内部でも存在し得る関係だと感じた。
カリスマ的な存在の人物が社内にいた場合が考えられそう。
(この人に認められれば、業界で評価される!みたいな?)

仕事に絡めて考えた感想

とりあえず、会社の人間関係について整理してみた感じ。
身近な関係は時間だけでなく、場面によっても変化しそうだと思った。
例えば、数学はAさんが得意でBさんに教えてるけど、英語はBさんの方が得意でAさんに教えるみたいなイメージ。
その場合は、「タテ」の「共同」が入れ替わるというよりも、「ヨコ」の「共同」と捉えた方が良いのか…?
成績向上の目的があるから、「共同」な気はするが…

p141の練習問題への自分の回答

練習問題への回答を残したかったので、自分の回答を記載。
結果として、本の中に散りばめて書かれていた内容の引用になってしまった。

1.ヨコの共同性とタテの共同性の違い

具体例としては、
②「タテ」の「共同」:上司と部下の関係の例
④「ヨコ」の「共同」:同じ会社に所属している関係の例
なので、「タテ」「ヨコ」の違いについて理解があればよさそう。

そして、ヨコかタテかの違いは、対等かそうでないかにあった。だけど、それの延長で、なぜ対等でない関係が必要かと言えば、というところから、タテは目的によって結びついているのだと考えました。

『人間関係ってどういう関係?』p137

本の中でも、以上のように書かれているので、会社の場合、会社が利益を上げるために上下関係があった方が指示が出しやすく、結果につながるということの気がする。

2.タテの共同性とタテの相補性の違い

具体例としては、
②「タテ」の「共同」:上司と部下の関係の例
①「タテ」の「相補」:ジャニー喜多川さんの例
なので、「共同」と「相補」の違いに注目したら良さげ。

「ヨコ」の「共同」と「ヨコ」の「相補」違いの部分が参考になりそうなので、確認。

そうですねぇ、極端に言えば、ヨコの共同性の場合、結びつく理由は、結びついている人たちの、いわば外にある、あるいは客観的にある。それに対して、ヨコの相補性の場合は、結びつく理由は、お互いの相手の人の中に見いだされる、と言えばいいでしょうか。

『人間関係ってどういう関係?』p136

「タテ」の関係なので、どちらも上司と部下、社長とタレントという非対称な関係であり、結びつく理由として上の立場の人のいうことを聞けば、会社の利益が上がるから。
関係からの離脱可能かどうかという点において、離脱が難しいかどうかという結論になりそう。
その人に認められないと、昇格できなかったり異動ができなかったりのような関係が会社では考えられそう。
さらにまずい場合として、実際は弱みにつけこまれているが、表向きは上下関係にしか見えないなどの問題が発生しているのかもしれない。

3.ヨコの共同性とタテの相補性の違い

具体例としては、以下の2つ。
④「ヨコ」の「共同」:同じ会社に所属している関係の例
①「タテ」の「相補」:ジャニー喜多川さんの悪い例

1つ前に確認した「タテの共同性とタテの相補性の違い」を踏まえると、
関係からの離脱の難易度が対極だと感じた。
「ヨコ」の「共同」は部活をフェードアウトする感覚で、
「タテ」の「相補」は親子の縁を切る感覚で、
そこのレベル感の違いが大きい気がする。

読んで思ったこと

「タテ」の「相補」の具体例の師弟と「タテ」の「共同」の先輩後輩関係の違いはピンとこなかった…
「タテ」の「相補」の具体例の親子はピンときたので、自分の人生経験が少ないからかな…


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