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茶室で広がる景色と記憶

本日のお稽古

茶室にはいると
すこし梅の香を思い出す
少し甘めの白檀の香

おだやかで温かな空間

床の間にすすむと
青磁の花瓶に入った
ユキヤナギと咲いていない椿
上から見ると黒い塗りの板の上で
可憐さが引き立っている

その小ささと可憐さが
愛おしくて、今日もついつい
話しかけてしまう。

本当に可愛い。
ありがとう。

本日のお菓子は
ねじり梅

我が家の庭にある
小さな梅の木を思い出す。

梅が咲く日を楽しみに
心待ちにしながら
ゆっくり味わうと嬉しくなる。

本日、
家元が立てて下さった
お茶のお茶碗は
作り人知らずの
筒茶碗

「たぶん志野焼ですが
本当のところはわかりません」
と家元。

ゴツゴツした肌触りと
温かさを感じた瞬間

ずっと昔にお世話になった
大切な人の手の感触を思い出す

いつだっけ?

と思い出しても
さわった記憶がなくて
不思議な気持ちになる

茶碗に書かれた
冬山の景色をみて

大切な人とみた
景色を思い出す

まるで、雪柳のよう。。。

元気でお過ごしで
いらっしゃるかしら


と思いをはせながら
あたたかい気持ちになる。

お茶碗の説明をきいて驚く

そのお茶碗が
みつかったと言われている場所が
その大切な人が住んでいる場所
だったから。

そんなこともあるんですね。

奇しくも本日の茶花の
ユキヤナギの花言葉は、

「静かな思い」

柳に雪をかぶったようにみえるう花

我が家の庭に
ユキヤナギはないけれど

昨日、庭の苔にかぶった
雪景色を思い出しながら

来年、我が家の苔の上に
雪がかぶる景色をみると
本日の茶室を思い出すんだろうな

と心が豊かになりました。

茶室という小さな空間に
広がる雄大な心の景色

そして、
いつか(過去生かもしれない?)の記憶

茶室とは、本当に不思議な空間です