子どもの爪のトラブルと間違った靴選び
爪のトラブルは爪の切り方など様々な原因がありますが、間違った靴選びで悪化させていることが多いのでご紹介します。
爪のトラブルに気がつかない
長年子供靴を販売していると、靴下の上からでも趾や爪の状態が気になることが良くあります。承諾をいただき確認すると巻き爪、陥入爪、爪だけにとどまらず趾節間外反母趾/IP外反母趾の発症を疑われるケースもあります。このことを一緒にいる親に伝えると「気づかなかった」と驚かれることがあります。
写真のような巻き爪や陥入爪で炎症がある場合は痛くて母趾で蹴れないので小さい子どもはかばった歩き方をします。子どもの歩き方が普段と違う場合は何らかのトラブルが潜んでいることがありますので注意が必要です。
痛いから靴を大きくするのは間違い
爪にトラブルがある子どもが履いている靴を確認すると、大きい靴、柔らかい靴、サンダルがほとんどです。
歩行時、爪のトラブルで多い足の動きは過剰回内状態で蹴り出す瞬間に母趾が内側に捻じれます。誰しも回内は踵を着いた時点で始まるのですが過剰に動くと足底に体重が載った時にアーチが機能しにくくなり、推進を得るために母趾を内側に捻じって蹴り出すことになります。
これを繰り返すことで爪は巻いたり陥入したりして炎症を起こします。
つま先に出ているトラブルですが、問題は踵やアーチの動きに起因しますので後足部を安定させる必要があります。後足部を安定させるには、大きい靴では内部で足が固定できないし、柔らかい靴では足の動きを制御できません。
靴の中敷きのすり減りで分かること
中敷きを外すと踵がすり減っていたり、趾のつけ根がすり減っていたり、つま先がすり減っていたりしますが、母趾の真ん中が減るのは正常、しかし母趾の内側に向かってすり減っている場合は要注意です。
巻き爪、陥入爪にとどまらずこの過剰回内で歩行を繰り返していると外反母趾に発展する可能性は非常に高まります。足が未完成な子どもは特に注意が必要です。
痛いのは靴が窮屈だからと思い込んでいる方は意外に多く、サイズを大きくして悪化させ、まだ痛いからもっと大きくする負のスパイラルに陥るケースもあります。勿論、サイズを大きくするなと言ってもつま先の適度な空間は必要になります。
繰り返しになりますが、つま先の問題なのでつま先を何とかしようとするのですが、根本的な問題は踵から土踏まずにかけての悪い動きで発症してることがほとんどです。たとえ巻いた爪、陥入爪を治療家に治してもらっても悪い足の動きを繰り返せばまた再発します。
また、病院では医師が一人にかけられる時間は決まっていますので、細かいメカニクスの説明や靴指導までされるケースは少ないと思います。
子どもの爪のトラブルは、大きい靴、柔らかい靴、サンダルは厳禁なので注意しましょう。