足を守る術、靴の履き方
赤ちゃんの時は誰でもキレイな足をしています。ただ、齢を重ねて、いつの間にか足のトラブルに悩む方も多くいます。
足のトラブルを単純に齢のせいにしがちですが、それは違います。全てではありませんが、足部の機能性に起因していることが多いのです。先ずは、足の役割と足部機能を知ることが大切です。
人の足の役割
人の祖先がチンパンジーのような猿から進化したと言われていますが、チンパンジーとの大きな違いは、直立二足歩行していることです。
チンパンジーの足と、人の足とは形態も機能も違います。チンパンジーの足は木をつかみやすく、人の足は地面に立って歩けるよう、土踏まず(アーチ)が形成されています。
土踏まず(アーチ)の機能
土踏まずのことを、正しくはアーチと言いますが、アーチとは建築、医学用語としても使われます。
アーチ構造の建築には橋や古代のスタジアムなど、上からの力に支えられるのが特徴で、人の足も立って安定するようにアーチ構造が形成されています。
アーチ機能の低下
足部の真ん中に、適正に荷重できればアーチは機能しますが、足部の内側よりに常に荷重がかかると、アーチは耐えられずつぶれます。仮に扁平足に見えてなくても機能は低下し様々な問題を引き起こします。
つま先の巻き爪、タコ、足底の痛み、外反母趾、足部だけでなく膝痛、腰痛、肩のハリ、様々なトラブルにつながります。
繰り返しますが、人は直立二足歩行していて、それを可能にしているのは土踏まず(アーチ)があるからです。人はアーチ機能が弱くても立って歩くので、結果として他の部位にストレスがかかり問題は発生します。
幼児期の靴の履き方
アーチは4~10歳ぐらいが形成期ですが、アーチを形成するにあたり、カカトと脛の角度(LHA)を真っすぐにする必要があります。理想は、可逆性がある歩きはじめから4歳までに、しっかりした靴を選び、正しく履くことが特に重要となります。
LHAに角度がつけば、足部の内側に荷重がかかりアーチの成長を阻害します。そのまま成長すれば大人になってもアーチ機能が弱くなり問題が発生しやすくなります。
靴でアーチを整える術
靴の硬い踵の芯をカウンターと呼びますが、アーチを整えるにはカカトと脛を真っすぐにすること、そのためにカウンターにカカトを合わせて固定する必要があります。
大人も子供も、靴の踵を地面にトントンとうって、カウンターにカカトを合わせて履いて、そして靴紐やベルトを適度にしめて固定することが何より大事です。
靴の履き方の実態
靴のカウンターにカカトを合わせて履くことが、子どものアーチの形成には非常に重要すが、実際、正しく履けているかをアンケート調査をしました。
対象:小学卒業時の238名児童(新中学生)
結果は、カカトを意識して履けていないばかりか、多くの子どもが、つま先打ちをして履いている状況でした。
歯磨きも同じですが、間違えた靴の履き方をしていること、知らない、知られていないことが、子どもの体を蝕んでいる可能性があります。そして、大人の体も蝕んでいる事実を知って欲しいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。少しでも皆様のお役にたてる情報を発信していきたいと思います。どうぞ、2024年も宜しくお願い致します。