外反母趾、靴選びを間違えていませんか
靴屋を営んでいると避けては通れない外反母趾、我々は治療家ではないので外反母趾を治すことはできません。ただ、靴選びを間違えて外反母趾を悪化させている方が多いので、外反母趾を悪化させない正しい靴選びをお伝えします。
柔らか、軽量、幅広が外反母趾を悪化させている
外反母趾を患って来店されるお客様がよく履いてくる形態の靴です。確かに量販店、通販サイトを見てもイメージ図のような靴を推奨されています。
先に結論を申せば、外反母趾で指が曲がり幅広になるのは、根本的に靴選びを間違え、足が横に広がる靴を履き続けることで外反母趾を悪化させるいるのです。
イメージ図の靴は親指や小指の付け根が擦れて痛くなるのを避けるための靴、確かに足が横に広がりやすい靴では擦れるので素材も柔軟で幅広の靴が必要になります。
ただ、足が横に広がらない靴を選べば、靴の素材が柔らかくなくても、幅広でなくてもよく、むしろその方が足を横に広げることを防いでくれます。
つまり外反母趾の多くの方は足が横に広がりやすい、柔らか、軽量、幅広の靴を選び、履き続けることで悪化させているのです。
何故、足が横に広がるか
経験則ですが外反母趾の男女比は、男性が1人とすれば女性が10人、約10倍です。女性が多い理由には女性ホルモンが関係していて、女性ホルモンは関節や靭帯を柔らかくする作用があり、初潮、出産、閉経とホルモンバランスが変化する時に発症、悪化しやすいとされています。
ホルモンバランスが変化したから、筋力が低下したから外反母趾に至るのではなく、人は毎日、立って歩いていますので、
その歩き方が悪いとアーチは下がり足は横に広がり親指にストレスがかかり続けて発症します。
アーチが下がって足が横に広がるならアーチをインソールで補えばと誰しも思いますが、その前に、歩く時にアーチを下げてしまう悪い足の動きを靴で防ぐ必要があります。
アーチを下げてしまう足の動きとは
普通、人は歩く時に踵から着いて土踏まず(アーチ)を柔らかくして衝撃吸収、踵の丸みを利用して重心を移動しなが足首をきかせて体を前へ、土踏まず(アーチ)を固くしながら親指が大きく曲がって推進します。
アーチを下げてしまう歩き方は、踵を着いてから、重心移動が上手く行かず重心が足のやや内側を通りながら、アーチを固くできないまま親指の腹で蹴らずに内側で蹴って推進します。
俗に言う、ペタペタ歩き、また、足首が固い人はドンドンと音を立てて歩いていたりします。正しく歩けないと外反母趾以外にも様々なトラブルになりかねませんので、ご自身の歩行が正しいかを確認してみて下さい。
不良歩行になりやすい要因の一つに、リラックスして立った状態で踵と脛の角度が大きくなると、足の内側や外側に圧がかかり、内側にかかれば土踏まず(内側縦アーチ)にストレスがかかります。
土踏まずがあるように見えても実際は圧がかかって機能しにくい状態になります。したがってアーチが機能し正しく歩くには踵と脛のラインを整える必要があります。
実際、踵と脛のラインを整えると土踏まず(内側縦アーチ)が機能し、足幅を広げている横アーチも上がり足幅が狭くなります。
さらに、外反母趾は中足部が開いた状態なので適度に靴紐で締めることで中足部を閉じ、インソールを使わなくてもある程度はアーチを支えられます。
外反母趾に適した靴は
外反母趾の方が靴を選ぶ上でのポイントは
靴の踵の芯が固くしっかりしていて踵が隙間なく収まる靴
中足部を締められる紐やベルト付きの靴
靴の素材はしっかりした牛革、または丈夫な人工皮革 ※あたる部分はポイントストレッチャーで部分的に伸ばす
革の継ぎ目を糸で縫いつけている部分は伸びにくいのであたる場合はさける
外反母趾で蹴りだす時に親指が十分に曲がらない方は蹴りだしをサポートする靴 ※必ず店内で歩いて確認し、万が一不安定に感じる場合はさける