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靴紐を結べない子ども達
“靴紐の締め方で子どもの歩き方は変わります”で靴紐を締めて履くことが大事であることを伝えましたが、靴紐を締める前に靴紐を結べない子どもが増えています。
何故、靴紐を結べない子どもが増えているのか、子ども達が大人になった時に靴紐が結べないとどうなるか考えてみます。
アディダスの3本線と靴紐の役割
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個人記録用サイト
昔から靴紐の役割は靴と足を一体化させて靴が脱げないようにすることでした。スポーツシューズが誕生してからは靴紐の役割は脱げないようするためから足の機能を活かすようにデザインされていきます。スポーツシューズでは靴紐の強度やテンションのかかり具合も事細かに考慮されています。
分かりやすいのがアディダスの3本線です。3本線は創設者のアドルフ・ダスラーによってシューズの中足部をサポートするために設計されています。つまり3本線は機能的な意味であり現在に至るまでアディダスの象徴的なブランドデザインにもなっています。
アディダスの3本線は中足部を靴紐で締めることでアーチ機能を高めてくれます。3本線はアーチ機能だけでなく母趾外転筋、小趾外転筋にも作用し足趾を開かせ立った時のバランスが良くなります。
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アディダスの3本線は、下記サイトで詳しく解説されていますのでご参照下さい。
現代の子どもは紐靴に馴染みがない
子ども靴の靴紐を締めると言われてもピンとこないパパ・ママも多いと思います。
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現在、子ども靴はゴム紐+甲1本ベルトタイプが主流、スポーツをやっている子ども以外は紐靴に馴染みがなく、靴紐を結ぶことができない子どもも多くいます。
実例として
中学入学直後、運動部に入ったが靴紐を結べず緩々にしていたら怪我をしてしまった。
脱着が優先されて紐靴はスポーツをやる以外は履かない、子ども靴で紐タイプを探すのが困難な現状では靴紐を結べない子が増えても不思議ではありません。また、学校の上履きでも靴紐がほどけて危ないからと紐タイプの上履きを推奨しない学校もあります。
ドイツの子ども靴事情
これからの常識子どもの足を守る靴教育 より抜粋
早稲田大学 人間科学学術院
人間総合研究センター 招聘研究員
学術博士 吉村眞由美氏
靴選びをするのは大人で、子供に選ばせることはしません。ドイツでは小学校に入る前に家庭や幼稚園で正しい靴のはき方と靴ひもの扱い方が教えられ、小学校入学時には靴ひもを結べるようになっているのが一般的です。小学校では革靴のほとんどがWベルトやひも靴で、大人と同じテイストです。日本によくあるキャラクターはありません。幼稚園や小学校では、上段に帽子、中段に服、下段に靴というように一人ひとりの持ち物が縦に並べてあり、ベンチもあって腰かけて靴がはけるような環境が整備されています。
翻って日本の子ども靴事情、幼稚園で正しい靴の履き方、靴紐の扱い方が教えられているでしょうか、箸の使い方は教えられていると思いますがほとんどは見過ごされているし、足と靴には関心が及んでいないことは非常に問題だと思います。
本来、靴の履き方を教えるべきパパ、ママも既に靴紐を結べない世代かも知れません。となると日本では紐靴は絶滅危惧となりかねません。ただ、シューフィッターとして皆様の知ってもらいたいのは紐を締めて履くと快適だし何より歩きやすいのです。
子どもだけでなく大人も靴紐を締めると姿勢よく歩くことができます。姿勢よく歩ければバランスを補正するために無駄な筋力を使わず効率的になれます。これを何十年と過ごしてみれば健康寿命に関係することは言うまでもないことです。
子ども達の将来を考えると、足にそって靴紐を締めて履く習慣が出来るようになるのが理想です。