高校生の頃のスクールカースト
僕は今年で29歳になる。
高校生だったのはもう10年以上前だけど、今でも高校3年間のことははっきりと覚えている。
最近は「野ブタ。をプロデュース」が再放送されているせいか、
高校生だった頃のことを思い出す機会が多い。
野ブタ。で露骨に表現されていたスクールカーストだが、僕の高校にあそこまで激しいカーストはなく「グループ」という概念がはっきりと存在していた。
当時の僕は何も考えていなかったので、自分がどのグループなのか意識していなかった。今思い返すと最下層に属していたと思わざるを得ない……。
身障者用のトイレでお昼を食べたこともある。
ある日の昼休み、僕が同じ中学出身だった子のグループに混ざりたくて、食堂の椅子に座ろうとすると「お前が、ここにいるのはまずい…」とボソッと言われたのは未だに覚えている。
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僕の高校のグループは大体こんな感じだった。
スポーツが出来て背の高い爽やか系
トイレで煙草吸う不良
スカート短めのギャル
色白のアニメオタク
特筆すべき点のない中間層(一番多い)
その他
二人一組で図書室に引きこもる系・昼休みも自習室で勉強するガリ・絵やたら上手い系・学校内を走り回って遊ぶ系。
僕はそのどれにも属さずぼうっとしていると、高校一年の秋くらいからいつの間にか一人になっていた。
僕の高校の場合、グループは存在していてもそこに序列はなかった。
ただただ細分化され、自らそのグループに属し続けることで安定を図ろうとしていた。
特に、カーストの最上級とされる「スポーツ出来る爽やか系グループ」だが、僕の代はそこまで華やかな世代ではなかった。
先輩や後輩の顔ぶれに押されていて、運動部が盛んな高校だったが全体的にパッとしていない代だった。
どのグループにも昼休みの食堂では、なんともいえない倦怠感が漂っていたのを僕は覚えている。
昼休みは一時間あるので、食事をした後に追加でアイスの実や唐揚げを買って食べても時間はがっつり余る。だが、全体的に盛り上がっていなかった。
食堂の前の中庭はいつも閑散としていた。
特に僕が3年になった頃、先輩がいなくなったことで食堂を堂々と使えるのに、なんだか妙に静かだったような気がする。
当時スマホはなく、ガラケーで簡単なホームページを作り、そこにブログ的なものをグループで投稿しているのが流行っていた。
僕はそのブログをベッドに寝転がって、適当に読み漁って鼻で笑っていた。ぶっちゃけどれも内容はスカスカで、同じようなことばかり書かれていた。
僕が感じたのは、砂漠のような空虚さだった。
いつの間にか一人になっていた自分もどうかと思うけど、
つまらないブログを更新するのってどんな気持ちなんだろうと思った。
この学校にいても平坦だ。何か違うことがしたい。
そう思って、舞台音響が学べる大学に行って、小説も書き始めた。
そういう意味で今に繋がるバネになったと思っている。ありがとうパッとしない高校生活…。
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今思い出すと、カーストはある種の「殻」のような気がする。
スイミーじゃないけど、グループとしてまとまることで安定する。
その安定を彼らは望んでいたのではないかと思う。
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小説を書いています。
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