北国の冬至
こんばんは。冬至の夜に、お手紙のような日記を書きます。もうすっかり眠たいので、上手く書けないかもしれませんが、受け取ってもらえたらうれしいです。
同じ日本でも北のほうと南のほうでは日の出の時間や、日没の時間は違うようです。考えてみればあたりまえなのですが、数年前まではあまり気に留めずに過ごしてきました。関西出身の人が「北海道に来て、冬の日の短さにびっくりした」というのを聞いて、あぁそっか、そうだよなぁとようやく気が付いたのでした。
12月になると、14時を過ぎたらすっかり空は夕方の色をしていて、16時を過ぎる頃にはほとんど真っ暗。本格的な冬の寒さがやって来る時期でもあるので、なんとなく心細くなる日も増えます。フィンランドでは冬にうつになる人が多いそうですが、その意味もなんとなくわかる気がします。
だからこそ、北国の冬至ってちょっと特別です。12月半ばになると「そろそろ冬至だね」という会話をあちこちで耳にするし、実際に冬至を迎えた日には「これから少しずつ日が長くなっていくんだ」と気持ちがほっと緩んでいきます。太陽の光は、大切なものですね。
今日の午後、お正月飾りをつくるのにトドマツの枝を分けてもらいに行きました。到着した時、森の持ち主は薪割の真っ最中で、ほくほく温まった笑顔で迎えてくれました。
トドマツの枝と、リースに使えそうなツルウメモドキの蔓を少し分けていただきながら、今年何度目かの散歩。歩きながら森の持ち主は、こんなことを話してくれました。「毎日あっという間に日が暮れちゃうから、この頃は夕日を楽しむ時間もなくて!でも、今日は冬至だからこれから少しずつ余裕が出てきそうでうれしい。夕方の暗さがほんの少し緩んだ気がします」。
いつも仕事をしながら窓の外を見ている私と、毎日外の冷たい空気を感じながら森のそばで過ごす人とでは、日の沈み方一つとっても、感じ取れるものが違うんだろうなと思いました。確かに今日は、一年で一番日が短い日。でも、今日からは少しずつ、少しずつ春に向かうんですよね。そう思えば、夕方の暗さも少し緩んで見えるのかもしれません。雪の量も寒さも、これからもっと深くなるとわかっていても。
皆さんは、どんな冬至を過ごしましたか?私は朝、かぼちゃを食べて(本当は夜がいいのかな)、お昼はお餅づくりに失敗し、午後に森を歩き、今この日記を書き終えて、この時期に読む本を読んで眠ろうとしています。
明日から、少し緩んだ気持ちで過ごせますように。温かくして、おやすみなさい。
12月22日、大事な友だちがおすそ分けしてくれた音楽を聞きながら書きました。