マガジンのカバー画像

大臺 序乃壱

83
此のお話は日本が嫌いな日本人へ…。  日本を愚かと思う日本人へ…。  日本が貧しい国であったと思う日本人へ…。  日本人として誇りを持てぬ日本人へ届ける物語。  此れは我等が…
運営しているクリエイター

2021年10月の記事一覧

大臺神楽闇夜 1章 倭 3 高天原の惨劇 3

大臺神楽闇夜 1章 倭 3 高天原の惨劇 3

「皆よ…。集いし英雄達よ。今より戦が始まりよる。じゃが、勘違いしてはいけん。我等が目的は侵略者をこの地に止める事にありよる。剣を抜き戦う事を考えるな。罠に誘い打てば良い。其れ叶わぬ時は迷わず逃げよ。一人でも多く生き残り対向する力を保つ為じゃ。じゃからハッキリと言いよる。目の前で友が打たれようと、嫁が打たれようと、夫が打たれようと、其方が子が打たれようとも狼狽えるな。悲しむな。嘆くな。歩みを止めよっ

もっとみる
大臺神楽闇夜 1章 倭 3 高天原の惨劇2

大臺神楽闇夜 1章 倭 3 高天原の惨劇2

「話はよう分かりよった。ー三佳貞、見事であった。」
 三佳貞の話を聞き終わり美佐江が言った。冷静に答えてはいるが美佐江の体は震えていた。大切な家族が二人も同時に命を落としたのだから当然である。共に話を聞いていた春吼矢達も必死に悲しみを押し殺し続けた。
「じゃ、じゃぁ言いよっても…。眞姫那と音義姉は…。」
「ー三佳貞…。其方は二十と二つ。じゃが眞姫那は二十と七つ。役目は残り三年。音義姉は今年で終いじ

もっとみる