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不登校の答え合わせ。

コーディネーションラボは8年くらいやっている団体の派生団体なので、現代不登校業界でいえば老舗の部類に入ってきました。

小学生だった不登校の子たちも、社会がそんなに変わらないままに「社会にでる年齢」になってしまっています。

当然いまの不登校当事者家庭のように
「学校行かないで社会にでたらどうなるんだろう」
「勉強しなくていいのだろうか」
「コミュニケーション能力は?」
と悩んだわけです。

で、実際の当時の「将来」である社会にもうでてしまったこどもたちをみて感じていることをまとめてみたいと思います。

長くやっていると、不登校支援のほうの人たちの変遷も見えます。最初想いが近い人も現在は疎遠だったり。
やりとりしてた方々が有名になってTV出てたり、行政とくっついたり、ビジネスに走ったり、といろいろです。
不登校当事者家庭の保護者という目線のほかに、不登校業界の傍観者みたいにもなってきた数年かもしれません。

学校行かないと社会に出て困るよ、っていうのの答え合わせ

一回も学校に行っていない場合はちょっと困るケースが多いような気がします。少なくとも、学校って何か、集団行動って何か、足し算引き算、授業ってどんなの?をもうサマースクールレベルでもいいから、1回は体験しておいたほうがいい、とは思います。

ただ学校がどんなものか、というのを漠然とでも(年齢ちいさければ感じたことを明確に言語化できることは少ない)知った後の子たち、通信制高校に行ったにしろ、高卒認定にしたにしろ、バイトに明け暮れる子にしろ、たいてい「大人の社会」でのコミュニケーションが上手です。

こどもの社会でのコミュニケーションよりも大人とのコミュニケーションがうまいから学校がむずかしかったんじゃないかと思うほどに。
だからといって、大人としかコミュニケーションできないわけでなくは、義務教育からはずれたあたりから自分の世界でつながった同世代とも仲良くなっていきます。義務教育はどうしても、地域で区切られた関係になってしまうので。

もちろん、得意不得意ありますが、それが学歴とか関係なくだれでもあるはず。先を読んだり、場を読んだり、非認知能力長けています。そして、指示待ちではなく、自分で考えて動くことが多いです。
不登校の環境では、自分が「通信制行きたい」とか「こういうの学びたい」とか動かない限り、現実が動かないことが多いですからね。
そういった毎日は、最中はきついのですが、社会にでたときにはすでに出でフルとして身についているようです。

自分で考えて動く。勝手に動くという意味ではありません。
指示通りに動いてほしい職場では煙たがられるかもしれませんが、工夫や自律的な動きが重要な仕事には重要なスキルです。

勉強しなくていいの?の答え合わせ

不登校の子が勉強嫌いか、っていうとむしろその逆だと感じてきました。もちろん、苦手な子はいるでしょう。それがこれまた学校行ってても一定数いるもので。
勉強が苦手、のなかに発達障害や学習障害が隠れていることがあります。しかし、これが医療や福祉とつながったほうがいい専門的な問題で、不登校だ団体やコミュニティでは難しい部分です。縁のある専門家の方をご紹介する程度です。

マイクらやスクラッチなどからプログラミングにはまる子、その流れで数学などを学び始める子、そして進学を考えたり。
動物や植物が好きで、化学や生物などに興味をもち、知らない間にほしいものが難しい大人向けの図鑑のようなものになる子。
DTMや動画つくりにはまる子。語学学習に夢中になる子。

どのケースも大人はきっかけつくりくらい(そのためにいつもCLで大事にしているとおり「こどもを観る」必要がありますが)。
自分で情報探してきて学びます。もちろん、費用が発生するところは大人の出番だったりますが💦

教科学習に親がこだわってしまうより、好きなことからこどもたちが自然に「これを深めるには知識が必要だ」
と気付いて義務教育的学習に興味を持つことが多い気がします。

別に不登校なのにハーバードに受かった、とかニュースになる成功体験になる必要はなく、こどもたち本人が自分に合う分野をスキルアップしていくなかで勉強として身にみにつけていくことが重要だと考えていているので、そういった意味では勉強が好きで、学校という場ではないにしろ、勉強している子が多く、義務教育の枠から外れるとその学習意欲が増している子が多い気がします。少なくとも積極的に不登校している子は少ないので、どうしても義務教育中は普通の教科学習をしなくては、、、という罪悪感はどこか心に引っかかっているものなので、好きな分野だけを!!と開き直って学ぶのはまだまだハードルが高いです。

ただ結局、義務教育時に「勉強を嫌いにしない」「トラウマにしてしまわなかった」ケースでは、大学などの進学にしろ、動画制作など収入につながることにしろ、メイクなど興味からの仕事、などに繋がることにしろ、もともとの知的好奇心を失うことなく(というか抑えていたものを発揮するように)学び始めていることが多いです。


とはいっても、そうならないケースもあります。次の記事では、どういう不登校家庭がこういったケースに繋がっているのかについてまとめてみます。

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