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アートはどうやって鑑賞するの?私のかえるを探す旅。今年行った美術展等
noteに上げていないのも多いけれど、今年は美術館に足繫く通っている。東京の美術展を良いなぁと眺めることが多かったが、今年は私的に関西も当たり年だった。(もちろん東京からの巡回展も多い)
今年行った美術展の一覧
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コシノジュンコ展 あべのハルカス美術館
モネ連作の情景 大阪中之島美術館
村上隆 もののけ 京都 京都京セラ美術館
キュビズム展 京都京セラ美術館
アイザック・ジュリアン展 エスパス ルイ・ヴィトン大阪
描く人、安彦良和 兵庫県立美術館
ときめきトゥナイト展 大阪高島屋
水潺潺 石田智子 匠の聚ギャラリー
エドワード・ゴーリーを巡る旅 奈良県立美術館
つながる私 塩田千春 大阪中之島美術館
GUCCI COSMOS 京都京セラ美術館
LOVEファッションー私を着がえるとき 京都国立近代美術館
デ・キリコ展 神戸市立博物館
そこでふと、私はいつもちゃんと絵を作品を観れているのだろうか。表面だけ観ているじゃないか。そんな疑問がふつふつとわいてきた。
そこで「13歳からのアート思考」という本を買って読んでみた。
![](https://assets.st-note.com/img/1729298701-36uYmJ2tnwxhyHSqV7kRr1gW.jpg?width=1200)
絵を観る時にまず何を観ているだろう。
まず絵を観る。
それから、タイトルを見て、画家の名前を見て、描かれた年代を見て、画材を見る。
文字を追うことで、絵を観た時に受けた印象の確認作業を無意識のうちにしている自分に気づく。
「このタイトルだからこの絵なんだね」
「この画家の描く絵らしいな」
「比較的最近描かれた絵なんだな」
「油絵だと思ったけどテンペラ画だったのか」
この確認作業にずっと違和感を抱きながらも、自分の鑑賞スタイルを変えられずにいた。だって何をどう変えていいのかわからないからだ。
この本は「アートに詳しくなるためのメソッド」ではなく、「非日常の刺激」に触れて、日頃は考えもしないことに思いをめぐらせることで、「自分なりの答え」をつくりだし、「アート思考」を育てるためのものだという。
近年この思考は、アートを観る時だけでなく、ビジネスや日常でも新しい発見をもたらしてくれると話題になっている。
人はみんな子どもの頃はこの「アート思考」を持っているが、大きくなるにつれ、それを失ってしまう。
この本の冒頭で、書かれていることが印象的だったので紹介しよう。
大原美術館でモネの睡蓮を観ていた4歳の子どもが、学芸員さんに「かえるがいる」と言う。学芸員さんは、かえる?と思って探すがもちろんかえるはどこにも描かれていない。「えっ?どこにいるの」と聞くとその子は「いま水にもぐっている」と言ったのだという。
これが本来の意味での「アート鑑賞」なのだという。「自分だけのものの見方」でその作品をとらえて、「自分なりの答え」を手に入れているからだ。
では大きくなってその感覚を失うのはなぜだろう?
それは、中学高校の美術教育にも原因があると言う。
確かに。うちの次女は中1だが、最初の美術の授業、課題はアニメの一場面の模写だった。次女は絵が得意なのでナウシカを上手に描いていたが、描けない子はいきなり美術に苦手意識を持つに違いない。そして、見た目通り上手く描けることが、美術だと思うだろう。
統計で見ると、美術は中学校で嫌いに転落した転落度ナンバー1の教科だという。絵は、セオリー通りに描き、テストでは美術史の暗記。小学校で図工が好きだった子が中学校の美術で嫌いになるのも無理はないと思う。
失ってしまったらもう二度と子どものような感覚には戻れないのだろうか。
ご安心を。アート思考を大人になっても取り戻すことが出来るというのが本書だ。
順を追って本に書かれた通りにやっていけば、少しづつ見方が変わっていくようになる。
著者の末永幸歩さんは、武蔵野美術大学を卒業したあと、東京学芸大学大学院教育学研究科を修了し、現在は東京学芸大学個人研究員をして美術教育の研究に励みながら、中学校や高校で美術を教えている方だ。
そんな著者でも、美大時代は、さっき書いたような「確認作業」をしに美術館に行っていたという。
さて、私も曲がりなりにも?芸術短期大学を30年近く前に卒業している身だ。美術史も勉強したし、この本に書かれている作品も知っているものもあったので、全部全く知らないというわけではなかったが、簡単なワークと一緒に順番に絵画の歴史を紐解いていき、「アートとは何か」「アートとアートじゃないものの境界線はどこか」という話に前のめりになりながら読んだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1730201592-SQJ19ynuqGTrYozKvb48RMCi.jpg?width=1200)
自画像を描く
お母さん、こんなおばさんじゃない!という次女
いえいえ、こんな顔でしたよ(笑)
鑑賞する時、絵と対話をし、なぜそう思うかと問いながら、絵を鑑賞する。
そうやって「自分なりのものの見方・考え方」を見つけていくのだ。
もちろん、書いているものは読むが、それ以上に絵と対話すること、自分なりの考え方を持つことを大事にする。
基本的に私は自由に赴くまま感じるままに絵を観たら良いと思っている。でもそれが難しかった。
だが、この本を読んでから絵画展へ行き、何となくそれが少しつかめた気がする。
次回デ・キリコ展について。
とき子さんが先に記事をUPしてくれました✨
↓
※ヘッダーはアイザック・ジュリアン展より