うちのイタリア人と日本食
あっしゅさんのところで知ったあんこぼーろさんの素敵な企画に参加します。↓
あっしゅさんの記事はこちら。
今から6 年前暑い夏の夜。
うちにはじめてイタリア人がラティーナとサルディーニャ島からやってきた。彼らは15歳前後の二人組で、息子がやっているボーイスカウトの世界ジャンボリーのホームステイでうちに3泊4日で来ることになったのだ。
世界ジャンボリーはボーイスカウトの祭典で日本で行われるのは44年ぶり、世界中から3万人もの中高生や指導者が訪れた。
空港での検査が長引き、予定を2時間近くオーバーしてうちに着いたのは夜10時頃だった。
夕食を用意しておいて下さいと事前に連絡があり、色々考えたが、日本と言えば、おにぎりだと会社の先輩に言われ、おにぎりと鶏の唐揚げ、生ハムのサラダを作っておいた。
長旅ではじめての日本、知らないアジア人の小さな家に連れて来られ相当心細かったと思う。
彼らはまずサラダを食べ、唐揚げを食べ、最後におにぎりに上品にこわごわとかぶりついた。
結局一言も話さず綺麗に食べてくれたけれど、大人しすぎて、私も英語力もイタリア語力もなく感想は聞けずじまい。
その夜、彼らから聞かれたことは
「wifiのパスワードを教えてください」
という一言だけだった。
翌日からもハードスケジュールで、県のボーイスカウトが主催した歓迎会みたいなものに一緒に行く。スタンプラリーのように回れるようになっており、習字、折り紙、けん玉、ゴム鉄砲など日本古来の芸術や遊びが用意されている。そして用意された昼食を取ると私たちが向かった先はピアノの発表会。
偶然にも来日と重なってしまい、彼らを連れまわすことに。ホールは百貨店の中だったため、少し時間があったので、好きに買い物していいよ、と言うと喜んで出かけて行った。
その晩は、近所のラーメン屋へ。決して豪華な食事を用意する必要はない、いつも通りの食事でとボーイスカウト連盟からは事前にお達しがあった。
ラーメン屋では、ラーメン、唐揚げ、炒飯のセットを注文。彼らは驚くほどゆっくり食べるのでラーメンがのびるよと気になって仕方ない。
結局全部たべず、お腹いっぱいと残した。体は大きいのに意外と少食。でもラーメンは大好きなようだった。
翌日は奈良公園に観光へ連れ出した。事前に行きたいところはあるかと聞いたが、私たちが決めたところにお任せするとのこと。下の子がまだ小さかったので手を繋いで歩いてくれる。相変わらずの好青年たち。
お昼はうどんやどんぶりが食べられる昔からあるお店へ。カツ丼とうどんのセットを頼むが結構量が多く苦戦していた。
最後の夜。
晩御飯は、手巻き寿司とトンカツにした。
なま物も食べられるらしい。
この最後の晩餐は本当に盛り上がった。
ダイソーの、ふりふりのり巻きというのを使ったのだ。上手くいったりいかなかったり、みんなでふってふって海苔巻を作って食べた。
言葉なんて話せなくても、その場は一帯となって、ひたすら海苔巻を作って食べて笑った。
食は国境を越える。同じものを同じ時に一緒に食べる。
それだけのことで私たち家族は遠いイタリアから来た青年たちと心を通い合わせることが出来た。
後日、この時の話を書いたらボーイスカウトの冊子に掲載された。そこに載せた写真が、ピアノの発表会の会場で子どもたちはネクタイ姿とドレス姿だったため、うちはえらいハイソなうおうちと思われたと付け加える。
問題の写真↓😁
今はコロナ禍で、人とお話しながらの食事がしにくい。私はみんなでワイワイ食べるのが大好き。早くそんな日常が戻って欲しいと切に思う。
だって食は人の心と心を繋ぐ大切なコミュニケーションツールだから。
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あんこぼーろさん、楽しい企画をありがとうございました!あっしゅさん、昨日の紹介が無ければ知りませんでした。これが本当の出会いですね!ありがとうございました。