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わたしの思う”世相”曲

わたしは車に乗っているときにラジオをよく聞きます。
自分の車を持っていた時期もありましたが、一度手放してからはすっかりペーパードライバーで、今は相方の運転する車の助手席に座り、ラジオを聴きながらドライブするのが楽しみの一つです。

家でも、たまに、ラディコ(radiko)でラジオを聴くこともありますが、わたしのラジオの時間はだいたい車の中となっています。

昨今は、楽曲をスマホに認識させて曲名を検索できますが、そんな便利機能がなかったときは、ラジオで聞き逃してしまった曲名を調べるというのはなかなか大変で、特に洋楽の曲などは不明で終わってしまうことが多々ありましたが――。

ずっと以前、ラジオで聴いて耳から離れない洋楽の曲名を知りたいと思っていたところ、ずいぶんあとに、その曲名(Get The Party Started)に辿りつくことができました。

それは、本当に、ある日突然の出来事。
ミスドでドーナツを選んでいる最中に、店内に流れてきた曲が、まさに曲名不明のその曲だったのです。
ただし、その場ですぐに曲名が判明したのではなく、その日の夜、帰宅してから、「ミスドの店内曲」で検索し、レシートの時間から推測して見事に一致したという経緯があり、便利になった世の中を実感しました。

まだ、流れている音楽から曲を検索する機能がスマホになかった頃の話で、そんな機能がなかったからこそのエピソードです。
そして、世の中の情報化はとどまることを知らない勢いで、あっという間にどんどんずんずん進んでいきました。

まさに、「こんな世の中になるなんて!」の一言です。
これも世相というのでしょうか。
瞬時に手に入る情報に一喜一憂。
どちらかというと、やりきれないニュースを共有しながら共存しているというのがわたしの思う世相となっていました。

そんなときに出会った曲がこちらで、なんとズバリ、わたしの思う世相を歌っているのだろうと驚きました。
歌詞の中に「辛い日々に沈む」という箇所があり、最初は「沈む」という表現に深く共鳴しました。

それから何度も聴いているうちに「絶望と救いを同時に感じる曲」へと変化しましたが、『わたしの思う”世相”曲』であることに変わりありません。

Welcome to the dirty night
みんな心の中までイカレちまっている
Welcome to the dirty night
そんな世界にみんなで寄り添いあっている
Welcome to the dirty night
みんな心の中から弱って朽ちていく
Welcome to the dirty night
そんな世界だから皆慰めあっている

『不可幸力』の歌詞より

これは数年前に耳にしたラジオからの情報ですが、歌詞でよく使われる言葉を年代別に調べたところ、かつてよく使われていた「恋」「涙」が2000年以降はあまり使われなくなり、代わりに「今」だとか「世界」「自分」といった言葉が台頭してきたとのことで、「確かにそうかも……」と思った記憶がよみがえり、このたびあらためての納得です。

つぎにもう一曲。

『私の思う”世相”曲』過去バージョンです。
2008年、世界的には「リーマン・ショック」と呼ばれた年の曲で、個人的には自分の車を手放した年となります。
一人暮らしを始め、愛車のミニカが家から離れる瞬間に立ち会わずに済みましたが、夫であった人が「ドナドナのようだったよ」と報告してくれました。(思い出すたび泣き笑いしたくなる一言です)。

日本でスマホが一般的に普及されていったのは2011年以降と言われていますから、2008年はまだ本格的なネット社会到来以前で、わたしはこの曲をiPodで聴きながら、当時の世相を耳で感じていたように思います。

先進国ニッポンに生まれ
変えれると思った何か歌で?
というところと
ただ不安だって痛んで
不満がって誰かをひかんで
ありったけで笑ったって
本当はもう訳わかんないんです
というところに
まだまだ世間知らずだったわたしの姿も見え隠れ。
訳もわからないままひたすら焦って空回りしていました。

だから今のわたしがいるのだけれど、これは世相とは違うかな、と。
『わたしの思う”世相”曲』に過去バージョンを入れるか入れないかで迷っていた立春前に、下の雪だるまを見かけたことが、選曲に入れるという決定の決め手となりました。

春間近の日ざしを受けて仲良く並ぶ雪だるま

「もうすぐ春なのになんてシュール」かと思いました。
解けるとわかっていながら、お日さまを見上げているふうにも見えました。
大の大人が名残り雪で作った雪だるまのような気がしました。
それでわたしも雪だるまに負けじと、中断していたこの記事と向かい合ったしだいです。

そんな雪だるまの写真も一緒に載せたかったので、雪だるまがまだ似合うころまでに投稿できそうで内心ほっとしています。


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