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生きる☆サブカル青年

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独特過ぎる感性を持ったバンドマンの青年がただ生きてるだけのお話。 毎回ノープランでがーっと書いて読み返さなかったりするので、そのうち清書したい。
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#小説

「生きる☆サブカル青年」⑦

今朝起きてからずっとプラスチックが溶けたようなケミカル臭が鼻にこびりついていて取れない。

そういえば今年の3月頃、なぜか夜中に高田馬場に住んでいる妻がレトルト食品やらカロリーメイトやらを大量に抱えて、笹塚の僕の部屋まで持って来てくれたことがあった。「なぜ夜中に急に?」と流石に思わずには居られなかったが妻の脳みその中の世界は「イレイザーヘッド」というカルト映画みたいなものだと認識しているので、そこ

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「生きる☆サブカル青年」⑥

細長くて白黒のボーダーシャツを着た藪蚊みたいなつーちゃんを早朝の薄暗い自室に招き入れると、僕は早速最近の違和感について話そうと頭をフル回転させていたのだが上手く言葉が出ずにもじもじした感じでいる。

それはそうと、ここ最近の“僕の考えに現実が合わせてくれる感じ”というのも、よくよく考えたら違和感を感じる程の事でもない。
こんな風に感じたら多少マシかも、退屈しのぎにこう感てみたら良かろう、そう考えて

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「生きる☆サブカル青年」④

ー津夜子(つーちゃん)の記憶ー

少女時代、まだ家族が居た頃、どうしてかハッキリした理由は分らないが私の母はだんだんと壊れていった。
その頃の私は学業を終えて帰る時「今日はどんな母が家に居るんだろう?」と、不思議な事を考えながら下校したのを覚えている。

というのも当時の母は気分の変調がとても激しく、学校へ行く時の母と学校から帰宅した後の母が別人になってしまったように見える事が多かったからだ。

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「生きる☆サブカル青年」③

最近僕が立ち上げたバンド「窓女の後光」のCDのプレス代に有り金を全部突っ込んでしまって、めずらしく紙のお札が入っていた僕の財布に今はやっぱり小銭くらいしかない。

小銭くらいしかないので家でCDのジャケを入れる作業を自分一人黙々とこなす。それで気が付いたら3日くらい食事らしきものを口にしていない。

今回は僕が好き放題やっていいバンドがコンセプトなので、なにをしてやろうかと考えていると、いつもの僕

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