貸し借り。
貸し借り。
本やCDを貸し借りすることについて。
私には、3歳の時から知っていて、小学校、中学校と一緒だった幼馴染がいる。
高校、大学と進み、あまり話さなくなったけれど、私が就職で地元に戻り、また時々会うようになった。
彼女は、私に会うと本やCDを貸してくれる。
会うたびに1つは持たせてくれる。
本とCDがセットのときもある。
それは、私が好きだと言ったものというわけではないので、彼女の好きなものかもしれない。
おすすめ、してくれているかもしれない。
でも、それらには共通点はなく、色んなジャンルがぽんぽんと渡されるので、私の中には、はてなマークがつくこともある。
これは、一体どういう意味があるのか。
渡されたあとに一生懸命考えている。
単に、オススメだから、ってだけでは、きっと、ないよね?
彼女には私に足りない事がきっとわかるからこれを読め、聞け、ってことだろうか…?
3歳から一緒だ。難しく多感な時期も一緒に乗り越えた。それ故に彼女は私の苦手なことも、嫌な部分も、全部を知っているといっていいし、何も言わなくてもお見通しなことがたくさんある。
自分でもわかってないことを彼女には見透かされている気さえしている。
だからこそ。
彼女に手渡された本やCDは、何かとても深い深い大きな意味を持つのでは、と、私は考える。
聞けばいいじゃないかって?
それはあえて聞かずに自分で考える方がいいような無言のメッセージを感じるのだ。
考えろ、私。
貸し借り。
貸し借りといえば。
あれは何年前か。
好きな人に本を借りて、貸し借りの時間を楽しみにしていた甘酸っぱい思い出が蘇る。
貸し借りを口実にすれば会える幸せ。
それでいて、その人の好きな本を胸いっぱいに受け止められる幸せ。
本を通して共有するもののかけがえのないことといったら。
貸し借りには、いろんな思いの受け渡しが含まれていると思う。
だから、ちゃんと考える。
幼馴染が私に渡すものの意味とは。
考えることに意味があると思う。
正解にたどり着ける自信はないけれど、
私なりの感想を手紙にして入れておこうと思う。
私は誰に何を貸せるだろうか。
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