心配性が乗る国際列車:ユーロスター
先日パリから友人が一時帰国しまして、会って話をしていると、ちらちらと私の心配性のユーロスターの思い出が蘇ってくるので、今回はそのことについて綴りたいと思います。
コロナ前は年末年始休暇にパリに行っていたのが、コロナ後のここ数年は夫の出張に合わせて、春先にロンドンとパリに行く旅程でヨーロッパに行き、パリでは友人宅に泊まらせてもらっています。なので、友人と会う時はその年のパリとロンドンの思い出話に華が咲くのですが、パリとロンドンのセットの話になると、なぜかその心配性のユーロスターがちらつくのです。
性格が大雑把な割にとても心配性でして、そんな人の心配事ストーリーです。
ユーロスターはロンドンとパリを結ぶ国際列車で、ロンドンーパリ間の他にもヨーロッパの都市とロンドンを結んでいます。
パリーロンドン間は2時間ちょっとなので、新幹線の東京ー京都間の時間と同じくらいで、国を跨いで移動できるのが魅力的です。
飛行機でロンドンーパリ間を移動すると、まずはロンドン市内からヒースローに移動、そして飛行機の搭乗の待ち時間、1時間のフライト、シャルル・ド・ゴールから市内への移動で1時間強かかるので、気持ち的にはユーロスターの方がトータルの時間も短く、移動が楽な印象です。
そういったことから、春先のヨーロッパ旅行ではロンドンーパリ間を移動する際はユーロスターを使うのですが、仕事を終えた夫はロンドンから日本に帰るので、私1人の移動になるのです。旅に心配事はつきものですが、この2時間の行程に心配事が集中し、飛行機だったら悩まない問題が私を勝手に悩ませる(ユーロスターは悪くない、、、)、それがユーロスターなのです。
心配事① 向かい合わせの席に座りたくない
昔TGV(フランスの高速鉄道)に乗った際、何度か向かい合わせの席(日本の地方で走っている電車のボックス席みたいな感じで、向い合っている席の真ん中に申し訳ない程度のテーブルがついている)にあたってしまい、一回は数時間の乗車中、前に座っているムシュー(おじさん)と足の置き場の仁義なき戦いを繰り広げ、ほぼ到着くらいの距離でお互いのここだという足のベスト置き場を見つけた、そんな状況でした。なので、移動時間はリラックスしたい、そして向い合わせの席以外に座りたい気持ちがとても強いのです。今は座席表を見て取ればいいだけの話ですが、旅程が不確定な際は直前にチケットを取ると、向かい合わせの席の一部が残っていたりするので、そういう時はもはや都合の良い時間ではなくて、向かい合わせではない席が選択できる便のチケットを取っています。割とここへのこだわりが強いです。
心配事② 荷物置き場にスーツケースがおけるか心配する
ロンドンからパリへ移動する際はスーツケースを持っているため、新幹線に乗る時のように身軽な装備ではないので、スーツケースが荷物置き場におけるか、置けなかった時に座席におけるほど座席が広くないから大丈夫か、心配するのです。ユーロスターは改札(乗車のゲート)が出発の20分くらい前(もう少し前だったかもしれないですが)に開いて、そこからユーロスターに乗り込むのですが、ここで出遅れると荷物置き場が。。。ということで、私の精神衛生上、ユーロスターは奮発してスタンダードプレミアクラスを予約することにして、精神の安定を図っています。このクラスは座席数が少ないため、荷物置き場も早く乗り込めば今のところ荷物は置けているので、この心配事はこの戦法で不安を解消しています。
心配事③ お手洗いにスーツケース持っていけるか心配する
飛行機で移動すれば荷物を預けれるし、2人で移動すればどちらかが荷物を見てればいいので、この心配は無用ですが、1人の時がまた心配するのです。それも私は出発前は必ずお手洗いに行きたい性分で、電車の中でいけばいいじゃんと思うのですが、昔乗った電車の手洗いが壊れていたり、綺麗じゃなかったりの記憶があり、念の為行っておきたいのです。こればかりは駅のお手洗いに行ってみないとわからないので、緊張してお手洗いに行くのですが、パリの北駅もロンドンのセントパンクラス駅も両方ともスーツケースが入る大きさの個室があることが去年と今年でわかったので、この心配は解消されました。
心配事④ 荷物を持って乗車できるかが最大の悩み
日本から友人へのお土産がパンパンに詰まった制限重量ギリギリのスーツケースを持っていくのですが、これが自業自得なのですが重い。ヨーロッパを旅行すると買って帰りたい物もたくさんあるので、スーツケースが1つでは心細い、でも1人でスーツケース2つ持ってユーロスターで移動する自信が全くないので、たどりついた結果がスーツケース1つと登山リュックのスタイルでの移動です。
登山リュックにはなるべく軽くて容量を取る物を詰めますが、それでも重い、そしてスーツケースはもっと重い。そうなると、心配になるのが、ヨーロッパの電車とプラットフォームとの段差です。今まで乗ったユーロスターはプラットフォームから3段くらい高いところまで登って(それも段差が急)乗車するので、日本の新幹線のように段差なく、スーツケースコロコロすれば乗れる感じではないのが私の最大の頭痛の種なんです。先述の心配事のように、荷物置き場を確保するために早く乗らないといけないミッションもあるので、最後まで待ってゆっくり1個ずつ荷物をあげるわけにもいかず、毎回今回は大丈夫か心配をしながら電車に向かうのです。
ヨーロッパの方は重たい荷物や大きな荷物を持っていると、すーっとさりげなく「手伝うよ」と持ってくれることが大半ですが、ここ毎回、ユーロスターのスタンダードプレミアクラスに乗車する時はアメリカ人のツアーのおじいちゃん、おばあちゃんの中に私がポツンといる状態が続いてまして、おじいちゃん、おばあちゃんに流石に手伝ってもらうわけにはいかないと、登山リュックを背負って、ハンドバックを斜めがけし、スーツケースを両手で持ちあげるスタイルで冷や汗をかきながら、なんとか乗車しています。そんな状態なので、今回はおじいちゃん、おばあちゃんに「Good Job!」と言われ、なぜか達成感に浸っていた私です。
降りる時は最後まで待って、みんなが降りた後にゆっくり電車から降りるので、ここはなんとか乗り越えています。
そんなこんなんで、私のユーロスターの心配事は小さいことの連続ですが、1人で大きな荷物、重い荷物を持って移動するのがなかなか大変だなといつも痛感しています。
そして、こんなに色々心配してユーロスターの乗車に備えていたのですが、今回ロンドンのセントパンクラス駅の荷物検査で、空港にある手荷物検査台と同じ高さまでスーツケースをあげて荷物検査装置に通さなければならず(すっかり忘れていました。。。)、途方に暮れながらスーツケース、登山リュックを台にあげようとしていたら、後に並んでいたムシューとマダムが手伝ってくれ、ことなき終えました。ムシューとマダムからも「荷物重たいじゃん、これから先も気をつけてね」と言われる有様で、荷物を小さく軽くすれば大抵の心配事は解消されますが、長くヨーロッパに住んでいる友人に色々お土産を持って行ってあげたいという気持ちが毎回湧いてくるので、来年もまたヨーロッパに行く機会があれば、同じ心配を繰り返している私がきっとそこにいる気がします。