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友人が結婚する夢
※3000字弱あります※
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こんな僕にも友人と呼べる人が数人いる。
同性も異性も同じくらい。
1人は前に投稿で紹介したサバイバル先生ことY君。
彼とはかれこれ20年の付き合いである。
ただ今日はY君の話ではなく、異性の友人であるRさん。
このRさんが結婚を果たす夢を見たのである。
夢の世界であることは認識していて、実際のところはわからないがかなり嬉しかったのを覚えている。
結婚式をするなら友人代表スピーチを買って出ようかと思うくらいには嬉しかった。
そんなRさんとは中学からの仲。
Y君に比べると短いがそれでも18年ほどの交友関係である。
よくある「男女の友情は成立るか」という論争。
僕は成立する派。なぜならそれをRさんが証明してくれている。
彼女とは中学校のクラスが3年間同じの同じハンドボール部。
そして同じ塾だった。
ちなみに中学の県の選抜選手に一緒に選抜された。
高校は別だったけれどお互い強豪校に進学したので、大会会場で遭遇したりして顔を合わせる機会は何度かあった。
ちなみに彼女との出会いは正直覚えていない。
ただ一方的にRさんがRさんであることを知った機会はあった。
中学1年生の夏の中体連前に、各部活動の出場選手が校内放送のテレビ放映が行われた際、テレビの中に彼女がいた。
中学1年生にしてメンバー入りなんてすごいなと感心したことを今でも覚えている。
僕は中学からハンドボールを始めたのもそうだけれど、そもそも部活動なんていう所謂「組織」に属すのは初めてだった。
もちろん控えにすら選ばれない応援団である。
そこからどうやって交友関係に至ったのかも全く覚えていない。
気付けば2年・3年と同じクラスで同じ部活。
彼女自身、明るく社交的な人柄だったのと、恐らく彼女のことを嫌いな人間はいないだろうなという底抜けにポジティブな雰囲気をまとっていた。
遅かれ早かれ仲良くなってはいたんだろうなと感じている。
ここで、そんな彼女にまつわるエピソードを3つ。
①給食にフルーツが出るたびに僕に貰っていいか聞いてくる。
②しょーない冗談を言ったら思い切り肩パンされた。
③突然電話を架けてきて電話の向こうで泣き始めた。
①給食にフルーツが出るたびに僕に貰っていいか聞いてくる。
これはまんまその通り。
僕がフルーツが苦手だということを知って以来、午前中に「今日の献立に○○があるけど食べる?食べないならもらっていい?」とどんなに席が離れていても聞きに来ていたし、もらいに来ていた。
食べることが大好きな人なのである。
いつから常態化したのかは忘れたが、この会話は幾度となく行った記憶がある。
ただここで特筆すべきは、フルーツが苦手な僕は彼女に譲るという予定調和の未来なのにもかかわらず、必ず「食べる?」とあくまで僕の気分を伺うことである。
こんな些末なことにでもちゃんと相手への心遣いができる優しき食いしん坊なのである。
②しょーない冗談を言ったら思い切り肩パンされた。
これに関しても食にまつわるエピソード。
確か中三の夏の出来事。
前述のとおり、彼女とは同じ塾に通っていた。
その塾の塾長の奥さんが事務を請け負っていた。
通称ミーコさん。とにかく男子に甘い。
とある夏の日に差し入れで手作りマフィンを持ってきてくれたのだが、女子用と男子用で分けられていた。怪しすぎる。
男子用がチョコマフィン、女子用がプレーンのマフィン。
女子が羨望の眼差しでチョコマフィンを凝視している。その中にRさんももちろんいた。
チョコマフィンを受け取った際に「Rさん、チョコ食べる?」と試しに聞いてみた。
そんな気サラサラないのに。
勿論、返事は「食べる!!!!」一択である。
やっぱ嘘と言うと、僕の右肩に彼女の右ストレートが飛んでくる。
まぁまぁ痛かった。食べ物の恨みって怖い。
③突然電話を架けてきて電話の向こうで泣き始めた。
これは確か大学1年の夏の出来事だったはず。
部活帰りに友人と歩いていると、突然Rさんから連絡がきたので早々に友達と別れて電話に出た。
初めて聞くような低いテンションの声が聞こえてきた。
当時の人間関係やら生活環境やらがことごとくうまくいかないんだとか。
確かそんな内容だった気がする。唯一覚えているのは割り振られた寮の部屋が湿気がすごすぎてマットレスの下に虫が湧くだのなんだの。
個人的にはかなりの衝撃だったことを覚えている。
おかれている状況云々というより、あんなに明るくてよく食べてセロトニン放出しまくりであろう彼女がこんなに落ち込むことあるのかと。
そりゃ僕の知らないところで落ち込んだこともあったでしょうし、悩みもしてきたと思う。
ただ少なくとも、僕から見た彼女は悩みとは対極に存在するような明るい人間のイメージだったのでびっくりした。
ただ、そんな彼女が僕を頼りにしてくれたのは何だか光栄なことだ感じたのも事実。
大したアドバイスをできるわけでもないので、話を聞いて僕が持ちうる限りの明るい話しをして気を紛らわせようとしたことを覚えている。
あの時は大したこと言えなくてごめんね。
その後も何かあれば二人で飲みに行ったりもしたし、
何なら一度だけ、Rさんが住む県に旅行で行ったことがあって、
そのときRさんの家に泊まらせてもらった。しかも2泊。
成人した男女が一つ屋根の下で2泊である。
しかし、びっくりするぐらいなんの感情も湧かなかった。
そんなことってあるんだ・・と、これまた衝撃だった。
無意識に本当に一人の人として彼女と交友関係を続けていたんだろうなと改めて感じた。
仮にそうじゃなかったとしても、彼女との交友関係が自分の欲望一つで壊れてしまうのは嫌である。なのできっとどのルートを通っていても何事もなかったんじゃないだろうか。
かなり遠回りしたけれど、これが僕と数少ない友人のRさんとのこれまで起きたトピック。
他にもあるけど話せばキリがないので、今度飲みに行く機会があれば酒のつまみにでもしたい。
実際のところ婚約したのかどうかもわからないけれど、前回連絡したときにはどうやら彼氏とも上手くいっているとのこと。
憧れの姫野選手を彼氏にはできなかったようだけれど。
Rさんに限った話ではないが、友人には常に幸せであって欲しいと願ってやまない。
それは僕は友人が少ないからである。
母数が多いと友人の不幸な出来事も、いつのまにかよくある話しに切り替わる。数が少ないとそうはいかない。
既に心筋梗塞で弱った心臓にこれ以上負荷を与えたくないし、単純に久しぶりに再会したときに僕の思い出の中にある笑顔のままで再会を喜びたい。
多くを願っているつもりはないので、このくらいは叶えてくれよ神様。
重ねて言うけど、友人代表スピーチはいつでもどんとこいだよ。
新婦の友人代表スピーチに男性をキャスティングなんてことは前代未聞だろうけど、任せておきなさい。
お互い三十路に差し掛かるけど頑張ろう。
僕のガールフレンドには君のことをよく話しているよ。
だからいつでも紹介するね。
じゃあまた。