ボーンズアンドオール

とても粗いあらすじを言うと、人食いの男女が出会って惹かれ合い愛を育むラブストーリーです。
そして、要所で同じく人食いのとして生きる人々の苦悩や生き方に触れていくという内容です。

私は耐性があるので気にならなかったのですが、普通に人を殺して食っているのでグロいっちゃグロいです。
なんかやばいおじさんも出てくるので、常にうっすらと狂気じみている映画でした。
ラストは衝撃だったんですが、凡人の私が感じ取れたメッセージよりももっと深いメッセージがあるのかなぁという洗練された印象がありました。

ひとつ言わせて欲しいのは、
生の人間に齧りつかないで欲しかった。

私は食人(カニバリズム)映画を好んで観るんですが、人間を調理してる映画が多い気がします。

私が好きな映画のひとつに「グリーン・インフェルノ」という作品があります。
この作品に登場する人食い部族『ヤハ族』は、ついさっきまで生きていた人間を一般的な部族料理のメソッド(そんなものあるのか知らないが)を駆使して美味しそうに調理しています。

人食いの在り方として、生で齧りつくという手段はあってもいいと思います。
現に、アニメ「ハズビンホテルへようこそ」に登場する人食いたちは、生の人肉に齧りついています。

本当に個人の好み、認識の差なのかもしれませんが、(人食いに正解もクソもないので)
私は人食いには、人間をあくまで豚肉や牛肉のように食材のひとつとして扱ってほしいという思いがあります。

実際にこの映画を観ている間は気にはならなかったのですが、観終わった後に言い表せないもやもやが残ってしまい、突き詰めた結果「人食いの認識の差」に辿り着きました。

ストーリー自体は男女の恋愛の美しさや、儚さをベースにした新しい切り口の食人映画でしたし、
自分の「人食いの認識」について知る機会を得られた価値ある映画でした。

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