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【読書感想】 冷たい校舎の時は止まる
冷たい校舎の時は止まる 辻村深月
涙腺崩壊(༎ຶ⌑༎ຶ)
だけどタダじゃあ終わらない華麗なるミステリ。
これがデビュー作だなんて…レベル高すぎる…‼️
雪降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の高校生。
開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計。
凍りつく校舎の中、2ヵ月前の学園祭の最中に死んだ同級生のことを思い出す。
でもその顔と名前がわからない。
どうして忘れてしまったんだろう―。
第31回メフィスト賞受賞作。
私は『泣く話』が嫌いだ。
小説も映画も、とにかく避けます❗️(-∀-`; )
理由は単純。
泣きたくないから笑
泣きそうな小説を選ばなくても、意図せず泣いてしまう事も多々あるのだが、それは仕方ない。
私を泣かすのは簡単で、歳取ってさらに涙腺が弱いのだ。
なので避けに避けて来たのだが…笑
辻村作品は私の中で最も警戒すべき作品が多い。
『かがみの孤城』は、2018年本屋大賞で当時本屋に沢山並んで面白そうだったし、ミステリだから犯人当てるぞ〜と意気込んで読んで顔がぐちゃぐちゃになる程泣いた作品…( ̄▽ ̄;)やられた…
特に人間の肚の内をずぶずぶと抉り出すのがうまい。
それに加えて綾辻行人の第ファンだと言う辻村作品の手法は、Anotherのようなホラー感があり、ぞくっとさせる描写も完璧。
しかもミステリ要素はかかせない。
伏線回収は当たり前。
非の打ちどころのない文句なしの傑作。
ずるいよ〜。
それはあかん。
素晴らしすぎる。
もうね、余韻がすごくて…。
読了直後に感想書いているのですが、お手本のような作品で褒めたい所しか見つからない…。
泣くの嫌いな理由には(泣くほど)感動したから…
と言う評価が好きじゃないのもある。
泣いた=良い作品だった
と言う事にしたくないからだ。
なので、泣いたけど(その事が)良い作品だと思った理由じゃないという事を理解していただきたい。
(え、なんか長くなったらごめん(^▽^;))
まず素晴らしいのは、時が止まった校舎の中に、生徒会のメンバーが「閉じ込められる」という設定。
これは言う事なく特殊設定であり、ミステリには欠かせない要素である。
そこを踏まえて肉付けされていく8人の生徒達の過去。
ここに閉じ込めた原因である自殺者は一体誰なのか。
下巻には「挑戦状」とも取れる、自殺者の名前と、その理由を明記する「用紙」が用意されています。
しばらく本を伏せ、考えました。
…10分くらいかな。
そして、頭の中で「この人❗️」と決め、続きを読みました。
結果は、はずれ〜( ̄▽ ̄;)
辻村深月は期待を裏切りませんでした。
嬉しい💕
とにかく手法の上手いこと‼️
回想シーンでの物語のなかでも、2つ3つ積み重ねられ層になった伏線が一段ずつ回収されていくのです。
層になってるんです。
ひとつの伏線じゃないんです。
ここが1番驚いた所で、うわ、辻村深月天才❗️って思いました。
(上手く言えないけど、伝わってくれたら嬉しい。)
他にも数えきれないくらい散りばめられた言葉のトリックがすっきりひとつに纏まっていきます。
辻村作品の最大の痛い所(褒めてる)である涙を誘う描写も、苦手ながら感動しました。
ミステリに直結するその内容は、否定したくてもできません…。
むしろ、ムダなシーンなんてひとつもありませんでした(༎ຶ⌑༎ຶ)
人の肚の内なんて、他者からの想像以上に酷くて、それを知りたくない❗️って否定してしまうのが心理でしょう。
そこをえぐるんです❗️
辻村深月は‼️
容赦ないです。
ツライ…
つらすぎる…‼️
主人公の辻村深月ちゃん、大好きです。
今思い出しただけで涙が出ます。
人間とは、弱い生き物であり、逃げたくなる時も沢山あります。
この作品は、できれば中高生に沢山読んでほしいと思いました。
想像力を膨らませ、相手の気持ちを考えよう。
怖いだけじゃなく、希望もあるって伝えたい。
素晴らしい作品でした。
おすすめします‼️
皆さん、読みましょう(≧∀≦)笑‼️