なぜクリニックを開いたか
初めて私のnoteを読んでくださっている方に、まずごあいさつ。
「初めまして!」
私は2018年10月1日に、大阪市の東成区今里に、甲状腺疾患と糖尿病の専門クリニック「姜(かん)内科クリニック」を開院しました。その院長の姜 信午(かん しの)でございます。
開院して1年半ほど経ちましたが、毎日課題が見つかってそれをどのように改善するかを考えたり、いろんな所から届く書類を確認したり、それに返事を書いたり、新しく書類を書いたり・・・。仕事に関わる総時間のうち、70%は事務的な事に使っているような感じです。まあ、院長だから仕方ないのですが。
でも、ずっと守りたいと思っていた患者さんが来院されて、患者さんの健康のために役立って、「安心しました。」という言葉を頂くと、本当にやってて良かった、開業して良かったと思います。
私が京都の病院に異動したら、わざわざ大阪から僕の診療を受けるために電車乗り継いで来てくれて、大阪に異動したらまたそっちに来てくれる患者さんがいらっしゃったり、「どこに異動しようが、そこに受診しに行きます。」というお言葉を頂いたりして、雇われ院長として違う土地で院長するか、もう一度総合力を鍛えるために大きな病院の内科に就職するかなど色々悩むも、やっぱり頼りにしてくれる患者さんのために医療を続けたくて、今のクリニックの土地(東成区今里)に開院しました。ここなら地下鉄から近いし、みなさんに何とか来ていただけるであろう場所だから。
甲状腺の病気を専門にしている医者ですが、糖尿病の専門医資格もあり、そちらの資格も維持しなければならない。複数の資格を維持しようとすると、複数の病院やクリニックで勤務する必要がありました。研究や発表に積極的な甲状腺専門病院と他の病院との掛け持ち勤務を、いつまで続けられるのかという悩みもありました。
勤めていた甲状腺専門病院を辞め、経営大学院に通いました。
なんで経営大学院に通ったのかについてはまた書きたいと思いますが、色々な理論や分析方法、経営戦略がある事は理解できたけれど、結局最も大切な事は「自分はどうしたいのか。」でした。
分析や理論から大きく外れる事なく、何をやりたいかという自分の気持ちからも外れる事なく、考え抜いた結果が「開業」でした。開業すれば、一つの場所で、頼りにしてくれる患者さんをじっくりと診療を続けられるし、糖尿病と甲状腺の専門診療を両立できる。収入や生活スタイルの点では勤務医の方が格段に安定しているけれど、今やらなきゃ、きっと将来後悔するだろう。私は、やってみて頑張って頑張ったけれどうまくいかなくて後悔するよりも、将来もっと歳を取ったときに、やらなかった事を後悔する事に苦しむタイプ。今までもそうでした。
開業コンサルタント会社などがあらかじめ準備した医療テナントではなく、通院されるであろう患者さん方の立場に立って、利便性を考えて自分の足で色々な場所にとにかく足を運んで探し、やっと今の場所を見つけて開業しました。
私の背中を押してくれた書籍があります。
故 松下幸之助さんの、「道をひらく」です。
その冒頭の「道」が最も力強く押してくれました。
以下に「道」からの抜粋を紹介致します。
「自分には自分に与えられた道がある。
天から与えられた尊い道がある。
どんな道かはわからないけれど、ほかの人には歩めない。自分だけしか歩めない、二度と歩めない、かけがえのないこの道。
(中略)
自分だけしか歩めない大事な道。自分だけに与えられているかけがえのないこの道ではないか。
(中略)
道をひらくためには、
まず歩まなければならない。
心を定め、懸命に歩まなければならない。」
社会から病が完全に消え、もしも医者が不要となって失業するのなら、それはそれで社会や人々にとっては幸せな事。そうなったら違う道を歩みます。
それまでは懸命に今の道を歩み続けていきます。
以上のような仕事観や人生観を持った人間です。
宜しくお願い致します。
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