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#36「ちいちゃんのかげおくり」1時間目

先週から「ちいちゃんのかげおくり」を始めたので、気づいたこと、授業中に考えたことをメモしておこうと思います。


1時間目(T…教師 C…子ども)

・この時間のめあては「物語を読んで感じたことをまとめよう」というスタンスで、子どもがどんなことを感じているかを聞いて今後の授業の方向性に生かそうと思っていました。
・まず一時間目は、子どもの理解度を確かめたかったので、子どもに
T「このお話はどんな話だった?」と聞きました。
・クラスの中には全く物語を読んでいない子もいたので、その子たちには
T「題名からどんなことが分かりそう?」と聞いてみました。

・まずC「かげぼうしって何」という子や、C「かげをどこにおくるの?」のいう素朴な疑問が出ました。
・この二人目のC「かげをどこにおくるの?」は素朴な疑問ではありますが「おくる」に注目すると、「ちいちゃんたちの家族の魂を天国におくる」という伏線にもなっていそうだなと感じたので、そんなことを心にとめながら意見をメモしておきました。

・次にすでに話を読んでいる子に感想を聞きました。
・C「戦争に関するお話だと思う。」
・C「人はなんで戦争をするのか?」
・C「家族はみんな最後死んでしまうのか?」
・C「『空に消えた』とはどういう意味なのか?」
という感想が出てきました。
・はじめの感想として、先ほどの疑問より物語の内容に関わっているものの、みんなで読み込んでいけば今後の授業で答えが出てきそうだなと感じながら、これらの意見もメモしていきました。

・物語を「読んでいる子」「読んでいない子」の「世界観」をまず同じ土俵にのせる必要があると思ったので、T「このお話は楽しい話?それとも悲しい話?」とまず思い切って聞いてみました。
・もちろん子どもたちはC「悲しい話」と答えました。
T「では、どうして悲しい話だと思ったの?」と聞きました。
・このように尋ねることで「物語の中の『悲しい』キーワードや表現に目を向けられるのでは?」と思ったからです。

・さらに掘り下げるためにT「みんな悲しい話というけど、この話は『どこが悲しいの?』」と聞いてみました。
・C「お父さん、お母さん、お兄ちゃんが死んで最後に、ちいちゃんも死んでしまった」
・C「命が空に消えてしまいましたという所が悲しい」
・C「『たった一つのかげぼうしを見つめた』というシーンが悲しい感じがした。」
・C「ご飯も食べられずに死んだ」ところが悲しかった。などの意見が出ました。

・C「命が空に消えてしまいましたという所が悲しい」といった子には、
T「なんで作者は『空に消えた』といったのだと思う?」と聞きました。
C「『死んだ』と書くと怖いから、わざと少し言い方をやさしくしているんだと思う」という意見が出ました。
・この時点で、子どもたちは、「比喩なども取り入れながら授業ができそうだな」と思いながら話を聞いていました。

・C「『たった一つのかげぼうしを見つめた』というシーンが悲しい感じがした。」という意見に対しては、個人的に「最後に一人でかげおくりをした」このシーンの時は、ちいちゃんは「生きていたのか」「死んでしまっていたのか」という所が気になりました。また今後の授業で聞いてみようと思いメモしました。
・この最後のちいちゃんの語りの場面は「現実なのか天国なのか」どこにいるのかあいまいな感じで書かれているのでそこも整理したいと思いました。


一時間目はこの辺りで授業の終了時間になったので、終わりにしました。

毎日、更新できるかわかりませんが、時間がある時にまた少しずつ紹介していきたいと思います。

(追加)
次の2、3時間目の授業はこちらから見られます。