【管理会計】組織の役割を決める
今の会社に出向してから、丸10年管理会計してきました。
それまでは親会社で採用、研修、管理会計と転々としてましたが、初めて10年腰を落ち着けて一つの仕事に集中したので、取り組んできた内容を整理してみようと思います。
私たちの会社は、市場販売目的のソフトウェアを、自ら企画、開発、マーケティング、販売、サポートを一貫しているメーカーです。
親会社の資本参加により、親会社の管理会計を適用したものの、業態が違うために活用が難しい。
自社ソフトを販売する会社なので、社内には営業と開発とサポートとマーケティング、管理部門がいます。
機能で組織を定義すると、上記の通り。
ただ、当月の売上に貢献している部門(採算部門とか、直接部門、プロフィットと言われる部門)は、営業のみ、というかたち。
ちなみに、開発とかサポートは、先行投資の扱いにしています。
開発は作り上げたソフトウェアを資産化して、償却していくので、当月の活動は将来の償却費となり、将来の売上にひもづく活動として解釈しています。
また、サポートは、ソフトウェアのライセンス料の15%とか基準を決めて、お客様から一年分のお金を頂戴しています。
ただ、お客様になる前の段階から、サポートしてます。
なので、体験版時に手厚くサポートするから初回契約をいただく。初回契約時にまた手厚くサポートするから、次年度の契約になる、という解釈をしています。
そうすると、会社の利益は営業がすべて生み出していて、開発もサポートも、管理部門と変わらずコストセンターという位置付けになります。
この状態で、今私たちは部門別に採算管理をしています。
そうなると、開発もサポートも当期の利益に直結する活動となると、経費や残業削減という施策しかなくなります。改善の余地が限定的。
また、利益責任も営業のみ。
結果として、月次で部門ごとに採算を見ていても、あまり面白く無い。。。
営業が売れれば計画を達成できる。
売れなければ達成できない。
そうすると、開発やサポートが何のために存在するのか、が分からなくなる。
だから、開発やサポートの使命とは何ですか?
彼ら彼女らが頑張った結果、何が良くなることを期待していますか?
これを言語化する必要があります。
私の勤める会社ではそれを改めてこれから定義しようと思います。
例えば開発なら、作り上げた資産がいかに売れたか。
ROAのような目標を追いかけてもらう。
または、資産を作るために使った時間とそうじゃ無い時間の比率で目標を持つ。
サポートなら、解約率を目標にして、その維持のためにいくらを使うか。
社数と解約率とコストのバランスなど。
最初からそんなことくらい決めておくに越したことはないですが、小規模の会社から中規模に育つにあたって、今までなぁなぁでできてたことができなくなる。
そういう会社のステージが変わる貴重な場面に直面してるので、管理会計チームから会社を変えていくためのアクションを仕掛けてみようと思います。