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どの経験が、なににつながるのかはわからない。
今日で1月もおわり。月末なので、仕事もプライベートもいろいろと締めの日。数字を追ったり、申請の処理をしたり、こまかな事務作業。チマチマしたことは意外と苦ではない。むしろ好きかもしれない。
高校は情報処理科だった。簿記とプログラミングは必修で、それぞれ資格もとった。今思うと本当におかしいけれど、ノートに定規で線を引いて、貸借対照表や損益計算表をひとつひとつ手で描いていた。数字も手書きして、電卓でたしかめ算をした。
プログラミングも、紙のコード表に手書きでスペルを書いたり、処理のフローチャートを専用のテンプレートで手描きした。環境変数を設定する「Environment(環境)」のつづりをまちがえないように、いつも何度もたしかめたのを覚えている。それを先生が赤ペンでチェックして採点した。
いまはどうだろう? 表計算は手書きしなくてもエクセルがある。家計簿はアプリが自動で計算してくれるし、プログラミングは高性能なツールが自動でスペルを書いてくれる。何なら、コードを書かなくてもアプリは作れてしまうし、家計簿をつけなくてもクレジットカードの利用情報を勝手にサービスがまとめて通知してくれる。
もしも、この未来をわかっていたら、学生のわたしはそれらを勉強しただろうか。あのときは、それが最新で、最適な答えだったのだ。未来のことは誰にもわからない。
それに、すべてがムダになったわけでもない。いまだに会社の決算資料を読んだり、仕事で必要なデータを読み込むは好きだ。かんたんなプログラムを書いて、自分でデータベースを漁ったりもする。
イラストを描くときも、けっこうそういうロジックから入るところがある。イラストレーションは芸術とはちょっと違うから、感性も論理もどちらも大事だと思っている。絵や自分を客観視したいときは、ちょっと数字寄りの目で見るといい。
どの経験が、なににつながるのかはわからない。今は最新で正しいやり方が、10年後には時代遅れのまちがいになっているかもしれない。その反対に、いまはムダで無価値だと思っていることも、ちょっと先でなにか新しいことにつながるカギになるかもしれない。
このnoteも、続ける中でなにかにつながるといいなと思う。
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