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インスリンの作用 覚え方

 こんにちは、すい@医学生です。
 CBTなどでも聞かれるインスリンの作用の覚え方を思いつきましたので、メモしておきます。

1.インスリンの作用

 覚えるべきインスリンの作用

 ・血糖を下げる(=細胞に糖の取り込み促進、糖新生抑制)
 ・グリコーゲン合成促進
 ・グリコーゲンの分解抑制
 ・脂肪合成促進(β酸化抑制)
 ・脂肪分解抑制
 ・アミノ酸の取り込み促進
 ・蛋白質合成促進(糖新生抑制)

 覚え方:インスリンは「細胞に蓄える」

具体的には、 
 糖を細胞に蓄える
 グリコーゲンも蓄える
 脂肪も蓄える
 アミノ酸や蛋白質も蓄える
 糖新生は糖を作るが血液中に出して細胞に蓄えられないので抑制

 では、CBTの問題を解いてみましょう。

インスリンが欠乏したときに亢進するのはどれか.

a コレステロール合成
b 糖新生
c タンパク質合成
d 脂肪の合成
e グルコースの取り込み

CBTより

 正解:b

 細胞に糖を蓄えない糖新生が正解です。
 勿論、β酸化抑制のために脂肪合成、糖新生の抑制のためタンパク質合成、コレステロールもアセチルCoAからできるので、アセチルCoAの消費→原料のグルコース(糖)の消費→グルコースの取り込み増加と考えれる人はそれで覚えてもよいかもしれません。

2.成長ホルモンとインスリンの関係

 インスリンは「細胞に蓄える」ホルモンですので、成長ホルモンとの作用と間違えられやすいです。
 そこで、成長ホルモンとインスリンの関係を整理してみます。

 成長ホルモンの作用
  IGF-1産生→軟骨や蛋白質を合成
  脂肪分解促進
  抗インスリン作用
  汗腺・皮脂腺の発達
  電解質の再吸収促進

 成長ホルモンでは、インスリンとは異なり、「筋肉や骨の合成」することに重きを置いています。
 筋肉という蛋白質を作るためには、多大なエネルギーが必要ですので、蛋白質以外は異化作用(分解作用)によって、エネルギーを取り出す方向に行くのです。
 つまり、蛋白質以外の糖や脂肪は蓄えずに(=インスリン抑制)エネルギーにして、蛋白合成に全精力をかけるということです。
 また、ドーピングにも使われているので、そこから筋肉増強、高血糖、脂肪分解と連想できる人はこれで覚えてもよいかもしれません。

 最後に確認問題です。

 成長ホルモン(GH)によって、促進されないのはどれか。

a 蛋白合成
b 脂肪分解
c インスリン分泌
d 軟骨細胞の増殖
e IGF-1分泌

 正解:c


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