記事一覧
心を見せてほしい『セイント・フランシス』
元気がない時は映画を観るに限る。
予告で「私は賢い!私は勇気がある!私はカッコいい!」と新学期にフランシスを送り出したブリジットに多分元気づけてもらえるのではないか。そんな気持ちで『セイント・フランシス』を観てきた。
「これ面白そうだね」と言葉を交わしたような気もする。でも、一人分の席をとる。
いろんなことを突きつけられる映画だった。
身体のこと。
女性として生きること。
愛する人とのre
かの家に明かりが灯る日は
あと数日で祖父は逝ってしまうらしい。あまりいい状態ではなくなってきていたことは、前の年からわかっていたことだった。
母からのLINEはあっさりとしていた。
「じいじそろそろやばいです。でも帰ってこなくて大丈夫。」
昨年、父方の祖父を亡くした時もそうだった。「帰ってこなくていい」
コロナのせいもあって、葬儀に呼ぶのもかなり数を絞ったらしい。
オンライン葬儀だとはしゃいだカメラに端っこには、椅子に座
ぜんぶを飛びこすクルマ
「いっちゃーん!」
遠くから、以前より随分と逞しくなった声が聞こえた。スケートボードに乗っているのか体をフラフラさせながら、ゆっくりと小さな影が近づいてくる。
遠くからでもわかる、赤ちゃんの頃のようなむっちりとした姿は見る影もなく、幼児の体になっていた。夏の日差しで眩しいだけではないといったように、いつきは目を細めた。
「いっちゃん、ごめんごめん。お待たせ!久しぶりだね。本当に遊び来てよかった?」
鏡にはそばかすが映るし、腰の骨はちょっとずれてる『I feel Pretty』
小さいときは大きくなっていくことが楽しみだった。
背が高くて、勉強はそこそこできる。いい友達のおかげで優しくなれた。面白いことをたくさん見せてくれる友達が多かったから、たくさんのことに興味があって、眠るのが惜しいほどいろんなことに没頭した。仲良くなりたいから知りたい。分かりたいから、関わりたい。
なんでもできるとは思わなかったけど、それが気にならないくらい満足していた。
大人になっていくとその一
向こう岸のあなたのこと
おおよそ規則正しい寝息が聞こえる。
忙しそうに駆け回っていたし、私といる間はきっと私のためにたくさんのことを考えてくれていただろうから、こうして自分だけのために時間を使っていてくれるとほっとする。
繋がれたままの左手が寝ている人の体温にあてられてじんわりと汗ばむほど熱をもっている。
今までだったらぱっと解いて汗をぬぐったりしていただろうに、そんなのも気にならないくらいしっかりと握っていた。
初め
このボタンを押しても
「ね、アメリカ行くことなった」
久しぶりに連絡がきた思ったら、東京出張と言うから渋谷のお店で会ってるのに、なんなんだろう。
「え、マジ!仕事で?寿々子やっぱ頭いいね。」口々にバレー部の子たちがはしゃぎだす。2人きりじゃないと知ったときには落胆もしたけど、逆によかったかもしれない。思ってもない感想を伝えなくて済む。黙ってるのも不自然なので、目の前の人の笑顔をそのまま貼り付けた。
「大学でも留学生支