日銀危機は来るのか?(3)懸念される“逆ザヤ”とは?
前回、日銀の保有国債の現状をおさらいした。
約526兆円の国債を抱え、それは日本政府の発行済国債残高のおおよそ半分。また日銀の買い入れ速度は鈍化していることも確認した。
今回はよく言われる日銀の、利子利益と、利払いの“逆ザヤ”について、何のことを言っているか指摘しよう。
日銀は今、利子収入>利払い
まずは、日銀の「逆ザヤ」について簡単に把握しよう。
日銀は、保有する国債から利子を受け取る一方で、主に銀行から受け入れている当座預金に対して利子を支払っている。
この利子収入と利子支払いにおいて、収入より支出が大きくなってしまうことが、いわゆる「日銀の逆ザヤ問題」だ。
国債から1兆1,233億円の利息受取中
現状を見てみよう。
日銀は最新の決算では1兆1,233億円の国債利息の収入を得ている。
一方で、支払い利息としては2,608億円が計上されており、大幅な黒字が現状となっている。
逆ザヤはあり得るか?が次の焦点
上記で見た通り、現在は国債からの利子収入が、利払いを上回っている。
さて、逆ザヤとは何かを見たが、逆ザヤが起こるかどうかはもう一段深みのある、難しい話題だ。
そこで今回もひとまず稿を閉じ、次回以降にこうした疑問について、踏み込んで検討していきたい。
Notes&References
ロイター, 収益への影響は受取利息も含めて考える必要=金利上昇の影響で日銀総裁, https://jp.reuters.com/article/boj-kuroda-idJPKBN1WV0LY (16th Oct 2019)
日本銀行, 第137回事業年度(令和3年度)決算等について, https://www.boj.or.jp/about/account/zai2205a.htm/ (27th May 2022)
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