日銀危機は来るのか?(2)526兆円の日本国債を保有
前回、日銀の健全な経営の実態を明らかにした。
より細かくは、2兆4000億円の経常黒字、純資産4兆円を抱え、一見して問題はないように見られた。
今回からよく問題視される同行の日本国債についてさらに調べていく。まずは現状を確認しよう。
日銀の保有高は526兆1736億円
最新の決算で国債を見てみよう。それによれば、日銀は526兆1736億円の日本国債を保有 [1] しているという。
日本国債の発行残高は1026兆円 [2] なので、概算で約51%の国債を日銀が保有していることになる。
保有高増加傾向は鈍化へ
ただし、さまざまな議論を招く日銀の国債保有高の増加だが、現実には買い入れにはブレーキがかかっている。
野村総研(NRI)の木内氏によれば、2021年末時点の日本銀行の国債保有額は521.1兆円なのに対して、2020年末には535.5兆円だったという。
つまり、日銀による日本国債の買い入れについては、増加に歯止めがかかってきているのが現実なのだ。
「逆ザヤ」「債務超過」のリスクも
現在の日銀による日本国債の保有状況は確認したが、そのリスクとして指摘されるのが、「逆ザヤ」や資産評価額減少による「債務超過」だ。
ただ、このまま詳細に論じるには紙幅が足りず、過程も煩雑にってしまうだろう。
今回もひとまず稿を閉じ、次回以降にこうした疑問について、踏み込んで検討していきたい。
Notes&References
[1] 日本銀行, 第137回事業年度(令和3年度)決算等について, https://www.boj.or.jp/about/account/zai2205a.htm/ (29th June 2022)
[2] 財務省, 財政に関する資料, https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/a02.htm#a02 (30th May 2022)
[3] 木内 登英, 日本銀行のバランスシート縮小は事実上の正常化策か2, https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2022/fis/kiuchi/0106 (6th January 2022)
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