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日銀危機は来るのか?(1)経営は健全

ほとんどの市場参加者が、日本は金融緩和下にあると理解していることだろう。

その緩和策を維持している日銀について、"日銀は政策変更できない"や“債務超過に陥りかねない”とか“信認が低下しかねない”といった不安になる報道がなされることもままある。

常々疑問だったこの話題について、これから少しずつ調べて、まとめていきたい。今回はその第1回だ。

日銀は2兆4000億円の黒字銀行

まずは、日銀の経営を見てみたい。ちょうど昨年度の決算が、5月27日に公表 [1] されているので、詳細を見ていこう。

経営はひとまず黒字だ。経常利益は、前年度比4,421億円増益の2兆4,185億円で、指数連動型上場投資信託の運用益増加などによるものだという。

4兆円の純資産持ち、B/Sも健全

またバランスシートはどうだろうか。総資産は736兆円強で、うち526兆円は国債だ。

一方の負債は、発行しているお札が119兆円、預金が589兆円など合計で約731兆円となり、5兆円ほどの純資産を積み上げている。

資産と負債のバランスを見れば、健全な経営を維持しているといえるだろう。

健全経営の一方、政策変更余地には懐疑も

上で見た通り、日銀の健全な経営が確認された。

他方で、"日銀は政策変更できない"や“債務超過に陥りかねない”とか“信認が低下しかねない”といった点については、経営状況だけでは判断できないのも実情だ。

そこでひとまず稿を閉じ、次回以降にこうした疑問について、踏み込んで検討していきたい。

Notes&References

[1] 日本銀行, 第137回事業年度(令和3年度)決算等について, https://www.boj.or.jp/about/account/zai2205a.htm/ (29th June 2022)

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