春画の手足は美しい・其の一 -指先に宿る宇宙-
2015年、日本初の春画展が開催された。その中で、もっとも衝撃を受けた春画が「欠題春画絵巻六図(絵師不詳/江戸時代)」だ。
よく見てみると、大胆に戯れる男女は絵の隅っこの方でモゾモゾとなにやら遊んでいる。なんと!こんなとこで・・・指先での戯れ。
指先に宿る宇宙。絵師たちは手足に世界を重ね表現する。僕が春画の手足に魅了された理由だ。
絵の中央で鑑賞する人たちの横で、隅っこの手足の戯れに絶句し感動に打ち震えていたのを覚えている。みんなこの小宇宙に気づかない。絵の端っこにへばり付く僕は、ちょっと変わった人に見えたかもしれない。
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ここでは、春画の手足だけに注目する。絵師たちが自由に表現しライバルたちと勝負していたのはズバリその手足の表現だ。春画の手足は美しいのだ。僕の仮説は暴走し、ついには春画の手足だけを切り取ったスクラップブックを作った。その資料を見せると皆が驚き感動してくれる。
そんな訳で、それを少しづづ紹介して行こうと思う。
絵師不詳/江戸時代「欠題春画絵巻六図」より|足の指に注目。この絵にこの部分を描く理由は?春画にはこのような表現(遊び?)がたまにある。絵師の挑発かもしれない。(俺は、ここでもやらせちゃうよ!どうだ?)みたいなことだろうか。
僕は、「関係」をテーマに「春画」における手足の表現を引用したシリーズ「the Couple」を制作しています。興味がおありの方は是非チェックしてみてください。 KANEKO SHINICHI www.shinichikaneko.com
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